間違いから学ぶFP3級_第7回_教育訓練給付金を理解しよう! 一般教育訓練の支給額とは?

FP

キャリアアップや転職を目指して資格取得やスキル習得を考えている方にとって、「教育訓練給付金」は強力な支援制度です。


FP3級試験でも
受給対象や支給額の計算
がよく問われる分野。
今回は、教育訓練給付金の中でも【一般教育訓練】に焦点を当てて、制度の仕組みと実務での活用ポイントを一緒に学んでいきましょう!

今回の分野:

雇用保険法
教育訓練給付金制度(一般教育訓練給付金の支給額の理解)

一般教育訓練給付金とは別に、特定一般教育訓練給付金もあります。
今回間違えた範囲とともに、併せて深堀りしていきましょう。

問題文の紹介:

問題文の要約

雇用保険の教育訓練給付金のうち、一般教育訓練に係る教育訓練給付金の額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の【□1】相当額であるが、その額が【■2】を超える場合の支給額は、【■2】である。


□1:何%か?
■2:何万円か?

給付金の支給額を問われています。

教育訓練施設に支払った金額の何%なのか?

また、その金額の上限金額はいくらなのか?

しっかり把握されているでしょうか?

この内容を把握していると自己のスキルアップの助けになると思いますでの、是非活用したいものです。

それでは正解を見てみましょう。

正解と解説の要点:

問題文の要約

雇用保険の教育訓練給付金のうち、一般教育訓練に係る教育訓練給付金の額は、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の【□1】相当額であるが、その額が【■2】を超える場合の支給額は、【■2】である。


□1:何%か?
■2:何万円か?   正解:□1:20%、■2:10万円

こいちろ
こいちろ

私が間違えたのは、20%のところを10%にしていました。

これらの数値、金額の根拠も深堀りしていこうと思います。

まずはポイント解説をまとめましたので、それから見ていきます。

✅ ポイント解説:

  • 一般教育訓練給付金は、対象となる講座を受講し修了した場合に、【実際に支払った教育訓練経費の20%】に相当する額が支給されます。
  • ただし、上限額は10万円と定められており、教育訓練経費の20%が10万円を超える場合は10万円が支給されます。

深掘り考察!!

🗂️ 3つの教育訓練給付の違いと意図

なぜ支給割合と上限額に差があるのか? ~3つの教育訓練給付の設計意図~

  • 一般教育訓練最も広く利用できる区分で、比較的多くの講座(民間資格、通信教育など)が対象に含まれる。
  • 一方で、専門実践教育訓練(上限年間56万円)や特定一般教育訓練(上限20万円)に比べると支給額は控えめ。

📌 制度全体の目的

教育訓練給付制度は、
働く人の自発的なキャリア形成・能力開発を支援
職業に直結する資格・スキル取得を後押し
✅ 公的支援を投入することで社会全体の生産性向上を図る

という目的で設計されています。
ただし、支援する教育内容の 公共性・緊急性・費用対効果 に応じて支給率や上限額に差が設けられています。

区分支給割合上限額主な対象講座制度設計の意図
一般教育訓練給付金20%10万円民間資格、通信教育、ビジネススキル自己啓発・汎用的能力向上(自主的な学習を軽く支援)
特定一般教育訓練給付金40%20万円公的資格、国家試験等(FP資格も含む雇用安定・就職促進に直接資する資格取得支援
専門実践教育訓練給付金50〜70%年間最大56万円看護師、介護福祉士、保育士、IT国家資格など職業転換・専門職育成に対する重点的な公的支援

🔍 支給差の背景解説

1️⃣ 一般教育訓練給付金(20%・10万円)

  • 対象が広く、趣味や自己啓発的な講座も含まれる
  • 支給しすぎると税金投入の正当性が問われる。
  • よって 一部補助(20%)+上限10万円に抑えて、利用者の自己負担意識を残している。

2️⃣ 特定一般教育訓練給付金(40%・20万円)

  • FP資格、簿記、宅建など就業や収入向上に明確につながる資格が対象。
  • 一般教育訓練より公共的意義が強い。
  • そのため補助割合は倍(40%)、上限も20万円に引き上げ、より取得促進を図っている

3️⃣ 専門実践教育訓練給付金(50〜70%・年間56万円)

  • 医療・介護・保育・IT分野など国の政策的重点分野が対象。
  • 職業転換(リスキリング)や深刻な人材不足分野への支援として設計。
  • 高額な学費にも対応できるよう、支給割合大幅UP+複数年支給可と手厚くしている。
  • 公費投入が大きいぶん、対象講座の事前指定・厳格な要件が求められる。

対象者の条件

  • 雇用保険の被保険者期間が原則として3年以上(初回に限り1年以上)あることが必要。
  • 退職後でも一定期間内なら利用可能(離職後1年以内)。

使い方の工夫

  • 資格取得を目指す場合、どの講座が対象かは事前確認が必須(厚生労働省の教育訓練講座検索システムが便利)。
  • 複数回の利用は不可(同種給付金は1回限り)。計画的に活用したい。

🎓 なぜ 20%か? 10万円か? 制度設計の意図

  • 20%自己負担感を残しつつも一定程度の支援を行う
    → 全額補助だとモラルハザード(不必要な受講)や乱用のおそれがあるため、一部補助とし受講意欲・自己投資の意思を確認する設計。
  • 10万円上限公費支出の抑制と制度公平性の確保
    → 高額な教育訓練を受ける場合でも「手厚くなりすぎない」ようにバランスを取っている。
    → より専門的で費用の高い教育訓練には 「専門実践教育訓練給付」(最大年間56万円など)が用意されており、制度間で役割分担をしている。

補足:参考資料

  • 雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第101条の4 第1項
  • 教育訓練給付制(一般教育訓練)関係手引→ 厚生労働省の公式PDF資料(令和7年4月版)
    https://www.mhlw.go.jp/content/001310625.pdf

まとめ・今回の学び

教育訓練給付金は、自己投資を後押ししてくれる心強い制度です。
FP試験の学習としても、支給割合・上限額・対象条件といった制度の細部を正確に理解しておくことが重要。

  • 制度全体は「選択と集中型」 → 公費を重点的に投入する分野と、軽めに支援する分野を明確に分けて設計。
  • FP3級受験生が学ぶ「特定一般教育訓練」はちょうど 中間的な位置づけ。実務でも「FP資格取得に教育訓練給付金が使える」ことを提案できると差別化になる。
  • このように給付割合の違いは、制度の公共性・優先順位の反映そのもの。試験でも理解が求められる背景だと押さえておこう!

実務でも「お客様にどんな公的支援が使えるのか」をアドバイスする場面があります。
今回の学びを活かして、ライフプラン設計やキャリア相談の幅を広げていきましょう!

次回予告:国民年金の対象者は日本人だけじゃない?

次回は、すべての人に関わる大切な制度「国民年金」をテーマに取り上げます。

「誰が国民年金に加入するの?」「会社員は?学生は?」「未加入になってしまう場合は?」など。

意外と誤解の多い 「国民年金の対象者」 について、基本から丁寧に整理していきます。

全員加入って本当?
会社の厚生年金とどう違う?
知っておきたい免除制度や注意点

こいちろ
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FP試験対策にも、日々の生活設計にも役立つ知識を深掘りしてお届けします!
どうぞ次回もお楽しみに✨

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