間違いから学ぶFP3級_第8回_意外と知らない?外国籍でも加入する国民年金制度について〜深掘り考察〜

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全員が加入するのが国民年金?でも会社員や学生はどうなるの?
そんな疑問を持ったことはありませんか?
今回は、FP3級試験にもよく出題される 「国民年金の対象者」 について取り上げます。

こいちろ
こいちろ

制度の基本をしっかり押さえておけば、自分や家族の将来設計にも役立つ知識になること間違いなし!
早速、確認していきましょう。

今回の分野:

  • ライフプランニングと資金計画
  • 公的年金制度のしくみ
  • 国民年金の被保険者区分

問題文の紹介:

問題文の要約

国民年金の第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者や学生などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。

〇か✗か?

さて、今回問われている箇所がどこなのかわかりますか?

◯か✗かで判断するため、怪しいところは「年齢」の部分や「学生」、「日本国籍を有する者のみ」の「のみ」の部分とかですね。

では、正解を見ていきましょう。

正解と解説の要点:

問題文の要約

国民年金の第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者や学生などのうち、日本国籍を有する者のみが該当する。

〇か✗か? → 正解:✗

正解は✗です。みなさんは正答出来たでしょうか。
どの部分が誤っているのか確認します。

こいちろ
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今回のポイント解説を以下にまとめましたので、ご確認ください。

✅ ポイント解説:

  • 国民年金第1号被保険者は、日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の自営業者、学生、無職の者などが対象。
  • 国籍は問われない。 日本に住所がある外国籍の人でも該当する。
  • よって「日本国籍を有する者のみが該当する」という記述は誤り。

こいちろ
こいちろ

なんと、外国籍の方も国民年金の被保険者になれるようですね。
どのような成り立ちなのか背景も見ていきたいと思います。

深掘り考察!!:

✅ 国民年金の被保険者区分(ざっくり整理)

被保険者の区分は以下のように、3つに分けられています。ざっくりですが、対象者と主な特徴をまとめました。

区分対象者主な特徴
第1号被保険者20歳以上60歳未満の自営業者、学生、無職の人など(国籍問わず日本に住所あり)自分で保険料を納付
第2号被保険者厚生年金保険の適用を受ける会社員・公務員など勤務先と折半で保険料負担
第3号被保険者第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)保険料は不要(制度上免除)

✅ よくある誤解ポイント

  • 国籍は問われない → 外国籍の方も条件を満たせば第1号になれる
  • 「学生は入らなくてもよい」は誤解 → 20歳以上は原則強制加入。学生納付特例を申請するケースが多い
  • 海外居住者は対象外 → 日本に住所があることが前提

■ 根拠:国籍が問われないことについて

この点は、国民年金法 第7条(被保険者の要件)に基づいています。

国民年金法 第7条(第1号被保険者) 抜粋

  • 「日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者」で、
  • 「第2号被保険者および第3号被保険者でない者」

と定められています。

👉 国籍要件は明記されていません
👉 要件は「日本国内に住所がある」ことが中心です。

具体的な文言

国民年金法において「日本国籍を有する者」という要件は、第1号被保険者の条文に含まれていません。

■ 背景・意図:国籍が問われないことについて

公的年金制度の原則

  • 国民年金は、日本国内に居住するすべての人を対象とする社会保険制度。
  • 居住者(住所が日本にある人)単位での適用が原則。
  • 他の多くの社会保障制度(健康保険など)と同様、「住所」を基準としています。

国際的な取り扱い

  • 国際的にも、移住者や外国人労働者にも社会保険への加入義務や加入権利が付与されるのが標準的な考え方。
  • 日本でも、外国籍の人が 日本に住所を有する限り、年金制度の対象とする ことが適切とされている。

生活保障としての側面

  • 国民年金は 最低限の生活保障 の役割を持つ制度。
  • 国籍にかかわらず、日本国内で生活する人にその保障を及ぼす意図がある。
  • 日本国籍を要件にすると 在留外国人が無保障になるリスクがあるため、それは避けている。

✅ FP試験の観点

FP試験では、ひっかけ問題として「日本国籍の者のみ」や「外国籍の者は対象外」といった選択肢がよく出されます。

  • 第1号被保険者の範囲は頻出項目! 国籍要件がない点に注意
    →条文に 国籍要件がない → ×(誤り)と判断できる。
  • 住所要件が重要であることを強調して覚えることが大切。
  • 学生特例・免除制度とあわせて整理。

まとめ・今回の学び:

今回は、国民年金第1号被保険者の範囲について確認しました。
「日本国内に住所がある20歳以上60歳未満の人が対象(国籍不問)」という基本を押さえることが重要です。

国籍は問わない
住所要件が重要
学生も原則加入対象(特例申請可)

この視点を持つことで、試験でも実生活でも制度を正しく理解できるようになります。
次回はさらに 年金制度に関連するトピック を深掘りしていきます。

次回予告:学生納付特例制度の適用ってどういうもの?

次回は、学生の方にとってとても重要な国民年金の制度である
学生納付特例制度」を取り上げます。

「学生でも国民年金に加入しないといけないの?」「保険料の納付が難しいときはどうするの?」
そんな疑問に答える制度がこの「学生納付特例制度」です。

制度の概要と対象者
申請方法と注意点
将来の年金にどう影響する?

こいちろ
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FP試験対策にも 自分自身の生活設計にも役立つ知識を、わかりやすく深掘りしてお届けします!

次回もぜひお楽しみに✨

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