FP3級の年金分野では、「障害基礎年金」と「加算額」に関する問題がよく出題されます。
とくに今回の問題のように、配偶者がいる場合に年金へ加算があるのかというテーマは、
試験でも受験者が迷いやすいポイントの一つです。
実際の問題では、
障害基礎年金の受給権者に、65歳未満の配偶者がいる場合は配偶者に係る加算額が加算される
という内容が問われています。
一見すると、
「配偶者を扶養しているなら、年金に加算がついてもおかしくないのでは?」
と感じるかもしれません。
しかし、公的年金制度ではどの種類の年金に加算があるのかがきちんと決められており、
障害基礎年金には配偶者加算はつかないという点が重要なポイントになります。
この記事では、次の内容を分かりやすく整理します。
- 障害基礎年金とはどんな年金なのか
- 配偶者加算が付く年金と付かない年金の違い
- FP試験でよくある引っかけパターン

「障害基礎年金に配偶者加算はあるの?」という疑問を解消しながら、
FP3級試験で間違えやすいポイントをしっかり理解できるように
解説していきます。
⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。
- 障害基礎年金とはどういうもの?
→病気やケガが原因で、日常生活や仕事に大きな支障が出たときにもらえる年金です。
→日本の年金制度は、老後だけでなく、
人生のトラブルにも備える保険のような仕組みになっているのです。 - 配偶者加算がつく年金と、つかない年金とは?
→配偶者加算がつく年金 → 障害厚生年金(1級・2級)
→配偶者加算がつかない年金 → 障害基礎年金 - 問題に出てくる、よくあるケアレスミスを紹介‼️
→「障害年金=全部同じ仕組み」と思い込む。
→「子の加算」と「配偶者加算」を混同する。
などがあります。
今回のテーマは「障害基礎年金の配偶者加算」ですが、年金分野では似ている制度や用語を取り違えてしまうことが、間違いの大きな原因になります。
実はこのような“制度の違いによる引っかけ”は、前回の記事でも登場しました。
前回の記事では、
**「学生納付特例は年金額に反映されるのか?」**という問題を取り上げ、
- 受給資格期間には算入される
- 年金額には反映されない
という、混同しやすいポイントを整理しています。

年金制度は、似た言葉や仕組みが多いため、
「なんとなくのイメージ」で判断すると間違えやすい分野です。
もし、学生納付特例について
「受給資格期間と年金額の違いがいまいち整理できていない…」
という方は、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
前回の記事はこちら
▶【国民年金】学生納付特例は「年金額に反映されない?」受給資格期間との違いで迷うポイント!_間違いから学ぶFP3級_第9回
今回の分野:公的年金制度_障害基礎年金について

公的年金制度(国民年金)/障害基礎年金
年金制度の理解に不可欠な、受給要件や加算要素に関する知識を深めます。
問題文の紹介:障害基礎年金と配偶者の加算の関係
次の記述について、〇か✗か答えなさい。
- 障害基礎年金の受給権者がいる。
- その受給権者には、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる。
- この場合、受給権者に支給される障害基礎年金には、配偶者に係る加算額が加算される。
この問題文のキーポイントは、【「配偶者」が居るとき、年金が増えるか?】という点です。
配偶者がいるとき、年金が増える仕組みになっているのか。
増える仕組みになっているなら、どのような背景でそのような制度が作られたのか。

問題の正解を導き出すために、これらを理解していきましょう。
正解と解説の要点:配偶者の加算はない

次の記述について、〇か✗か答えなさい。
- 障害基礎年金の受給権者がいる。
- その受給権者には、生計維持関係にある65歳未満の配偶者がいる。
- この場合、受給権者に支給される障害基礎年金には、配偶者に係る加算額が加算される。
→正解:✗
正解は✘。
誤った設問でした。

つまり、障害基礎年金には配偶者の加算はないってこと?
配偶者が居ることによる、年金の加算がないのはどういう意図なのか。
障害基礎年金には他の加算があるのか、ないのか?
他の年金には配偶者の加算があるのか?
そのあたりの制度設計や正答のポイントを確認していきましょう。
✅ ポイント解説:「基礎」か「厚生」か
- 障害基礎年金に加算されるのは、18歳到達年度の末日までの子(または20歳未満で障害等級1級・2級の障害のある子)です。
- 配偶者に対する加算はありません。
- 配偶者加算があるのは「障害厚生年金(2級以上)」であり、「障害基礎年金」では該当しません。
障害「基礎」か「厚生」かで、加算対象が異なるようです。
どうしてこのような制度設計となっているのか、更に深堀りしていきましょう!
障害基礎年金は、国民年金に加入している人が対象になる制度です。
そのため、まずは「国民年金に加入する人とは誰なのか?」を理解しておくことが大切です。

次の記事では、FP試験でもよく問われる
「国民年金の第1号被保険者とはどんな人か」を整理しています。
あわせて読みたい記事はこちら
▶【国民年金】第1号被保険者の本当の基準とは?住所要件と国籍の違いをやさしく整理!_間違いから学ぶFP3級_第8回
FP試験では、年金制度のほかにも
教育資金や住宅資金など、人生のお金に関する制度が幅広く出題されます。
たとえば、教育資金をサポートする制度として
国の教育ローンがあります。

教育資金の準備方法について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
あわせて読みたい記事はこちら
▶【教育資金】教育一般貸付の融資限度額350万円は正しい?例外を見抜くポイントとは!_間違いから学ぶFP3級_第3回
障害基礎年金と配偶者加算について_深掘り考察!!
今回は、以下の点について解説していきたいと思います。
- 障害基礎年金とはどういうもの?
→病気やケガが原因で、日常生活や仕事に大きな支障が出たときにもらえる年金です。
→日本の年金制度は、老後だけでなく、
人生のトラブルにも備える保険のような仕組みになっているのです。 - 配偶者加算がつく年金と、つかない年金とは?
→配偶者加算がつく年金 → 障害厚生年金(1級・2級)
→配偶者加算がつかない年金 → 障害基礎年金 - 問題に出てくる、よくあるケアレスミスを紹介‼️
→「障害年金=全部同じ仕組み」と思い込む。
→「子の加算」と「配偶者加算」を混同する。
などがあります。
障害基礎年金とはどういうもの?

障害基礎年金とは、
病気やケガが原因で、日常生活や仕事に大きな支障が出たときにもらえる年金です。
年金というと「老後にもらうお金」というイメージが強いかもしれません。
しかし、日本の年金制度には次の3つの役割があります。
- 老後の生活を支える(老齢年金)
- 障害を負ったときの生活を支える(障害年金)
- 家族を残して亡くなったときに遺族を支える(遺族年金)
このうち、2.の役割を持つのが「障害基礎年金」です。
障害基礎年金を簡単に言うと・・・
とてもシンプルに言うと、
「重い障害で働くことや生活が大変になった人を、国が年金で支える制度」です。
対象になるのは、主に次の人です。
- 国民年金に加入している人
- 20歳以上60歳未満の人
- 一定の障害状態になった人(障害等級1級または2級)
具体例で考えてみましょう

たとえば次のようなケースです。
例①:交通事故で重い障害が残った場合
50歳の会社員が交通事故で大きなケガをしてしまい、
日常生活にも介助が必要な状態になったとします。
このように
- 生活に大きな支障がある
- 働くことが難しい
という状態になると、障害等級1級または2級と認定され、
障害基礎年金を受け取れる可能性があります。
例②:若い人でも対象になる
障害基礎年金は、高齢者だけの制度ではありません。
たとえば、
- 学生のときに病気で重い障害が残った
- 若いときに事故で身体が不自由になった
このような場合でも、条件を満たせば
20代でも30代でも受け取ることができます。
FP試験で押さえておきたいポイント

FP3級では、次の点がよく問われます。
- 障害基礎年金の対象は障害等級1級・2級
- 国民年金の制度に含まれる
- 子がいる場合は、「子の加算」がある
そして今回の問題のように、
「配偶者加算はあるのか?」
という引っかけ問題がよく出ます。
障害基礎年金_まとめ

障害基礎年金とは、
病気やケガで重い障害が残ったときに、生活を支えるために支給される年金です。
つまり、日本の年金制度は
老後だけでなく、人生のトラブルにも備える保険のような仕組みになっているのです。
この仕組みを理解しておくと、
FP試験の年金問題がぐっと解きやすくなります。
配偶者加算がつく年金と、つかない年金とは?
FPの年金分野では、「配偶者がいると年金が増えるのか?」というポイントがよく出題されます。
ここで大事なのは、すべての年金に配偶者加算があるわけではないということです。
結論から言うと、次のように分かれます。
- 配偶者加算がつく年金 → 障害厚生年金(1級・2級)
- 配偶者加算がつかない年金 → 障害基礎年金

つまり、同じ「障害年金」でも
厚生年金には配偶者加算があり、基礎年金にはないという違いがあります。
まず「配偶者加算」とは?

配偶者加算とは、簡単に言うと
「配偶者を養っている人の年金を少し増やしてあげる仕組み」です。
たとえば、働けなくなって年金を受け取る人に
65歳未満の配偶者(妻・夫)がいる場合、
「家族を支える必要があるよね」
という考えから、年金額を少し増やしてくれる制度です。
具体例①:配偶者加算がつくケース
会社員だったAさん(40歳)が病気で重い障害を負い、
障害厚生年金2級を受け取ることになりました。
Aさんの家族は次のような状況です。
- 妻:60歳(65歳未満)
- Aさんが主に生活を支えている
この場合は、
障害厚生年金 + 配偶者加算
という形で、年金額が少し増えます。
具体例②:配偶者加算がつかないケース
一方で、自営業のBさん(40歳)が病気で重い障害になり、
障害基礎年金2級を受け取る場合を考えてみましょう。
家族は次のような状況です。
- 妻:60歳
- 生計を同じくしている
しかし、この場合は、配偶者加算はつきません。
つまり、障害基礎年金だけが支給されます。
なぜこんな違いがあるの?

理由はシンプルで、年金制度が2階建てになっているからです。
日本の年金は次のようなイメージです。
- 1階部分 → 国民年金(基礎年金)
- 2階部分 → 厚生年金
このうち、
- 配偶者加算は2階部分(厚生年金)の制度
- 1階部分(基礎年金)にはない
という仕組みになっています。
FP試験でよくある引っかけ
試験では、次のような問題がよく出ます。(おさらい)
「障害基礎年金には配偶者加算がある」
これはどうでしょうか?
答えは ✗ です。
理由は、
配偶者加算があるのは障害厚生年金だからです。
覚え方(試験対策)

シンプルに覚えるなら、このイメージです。
- 基礎年金 → 子の加算
- 厚生年金 → 配偶者加算

この違いを覚えておくと、
FP試験の年金問題で引っかかりにくくなります。
よくあるケアレスミスを紹介‼️

今回の問題では、制度そのものが難しいというよりも、
年金の種類を混同してしまうケアレスミスがとても多いです。
FP試験でもよく見られる、代表的なミスをいくつか紹介します。
ミス①:「障害年金=全部同じ仕組み」と思い込む
「障害基礎年金」も「障害厚生年金」も、どちらも障害年金です。
そのため、
「障害年金かぁ、配偶者がいれば加算がありそう。」
とイメージで判断してしまい、「加算がある」を選んでしまうケースがよくあります。
しかし実際は、
- 障害基礎年金 → 配偶者加算なし
- 障害厚生年金 → 配偶者加算あり
という違いがあります。

つまり、「基礎」と「厚生」を区別できているかがポイントです。
ミス②:「子の加算」と「配偶者加算」を混同する

障害基礎年金には、次の制度があります。
子の加算
これを知っている人ほど、
- 家族がいれば年金が増える
- 配偶者も対象だろう
と考えてしまい、配偶者加算もあると思い込むことがあります。
しかし実際は、
- 障害基礎年金 → 子の加算のみ
- 配偶者加算 → 障害厚生年金
という違いがあります。
ミス③:「生計維持関係」という言葉に引っ張られる
問題文には、
「生計維持関係にある65歳未満の配偶者」
という条件が書かれています。
このような条件を見ると、
- 条件が細かく書かれている
- きっと本当の制度だろう
と思ってしまい、内容を深く考えずに
「配偶者加算あり」を選んでしまうことがあります。

FP試験では、このように
それっぽい条件を並べて正しそうに見せる問題
がよく出ます。
ミス④:「厚生年金の知識」をそのまま当てはめる
障害厚生年金では、
配偶者加算がある
という知識を覚えている人ほど、
- 障害年金 → 配偶者加算あり
と覚えてしまい、基礎年金でも同じだと勘違いすることがあります。
しかし、
- 厚生年金 → 配偶者加算あり
- 基礎年金 → 配偶者加算なし
という違いがあります。
よくあるケアレスミス_まとめ

この問題の一番のポイントは、
「配偶者加算があるのは障害厚生年金だけ」
という点です。(これだけ覚えましょう!)
つまり、
- 障害基礎年金 → ✗
- 障害厚生年金 → 〇

この違いを整理して覚えておくと、
FP試験でも迷わず正解を選べるようになります。
まとめ・今回の学び:障害基礎年金、障害厚生年金、配偶者加算
- 障害基礎年金とはどういうもの?
→病気やケガが原因で、日常生活や仕事に大きな支障が出たときにもらえる年金です。
→日本の年金制度は、老後だけでなく、
人生のトラブルにも備える保険のような仕組みになっているのです。 - 配偶者加算がつく年金と、つかない年金とは?
→配偶者加算がつく年金 → 障害厚生年金(1級・2級)
→配偶者加算がつかない年金 → 障害基礎年金
※基礎年金は、「子の加算」がつきます。 - 問題に出てくる、よくあるケアレスミスを紹介‼️
→「障害年金=全部同じ仕組み」と思い込む。
→「子の加算」と「配偶者加算」を混同する。
などがあります。
ここまでのポイントを、もう一度シンプルに整理しておきましょう。
障害基礎年金とは、
病気やケガによって生活や仕事に大きな支障が出たときに支給される年金です。
年金というと「老後にもらうもの」というイメージがありますが、
日本の年金制度はそれだけではありません。
障害や死亡など、人生のさまざまなリスクに備える仕組みとして作られています。
そして今回の問題のポイントは、「配偶者加算がどの年金につくのか」という点です。
整理すると、次のようになります。
- 障害厚生年金(1級・2級) → 配偶者加算あり
- 障害基礎年金 → 配偶者加算なし(ただし子の加算あり)
つまり、今回の問題のように
「障害基礎年金に配偶者加算がつく」と書かれている場合は「誤り」になります。
FP試験では、このように
「基礎年金」と「厚生年金」を入れ替えて出題する問題がよく出ます。
「障害年金=全部同じ仕組み」と考えてしまうと、今回のような問題で引っかかってしまいます。
どの制度に、どの加算がつくのかをセットで整理して覚えておくことが、正解への近道です。

障害年金に関わるフレーズは「配偶者と子」です。
正しい理解で引っ掛けに惑わされないようにしましょう。
次回予告:公的年金の基本!遺族厚生年金の額の決まり方とは?

万が一のとき、残された家族の生活を支える「遺族年金」。
その中でも、会社員や公務員など厚生年金加入者に遺された遺族に支給されるのが「遺族厚生年金」です。
しかし、その支給額は一律ではなく、被保険者の報酬や加入期間などによって異なります。
次回は、「遺族厚生年金の額はどのように計算されるのか?」をテーマに、計算方法の基本と注意点をやさしく解説します。
次回の記事はこちら
▶【遺族厚生年金】「4分の3」を選べる?割合問題でつまずく人の思考パターンを解剖|_間違いから学ぶFP3級_第11回

遺された家族を守る大切な仕組みを、ぜひ一緒に学びましょう!


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