相続税の学習では「株式の評価」がとても重要なポイントになります。
特に、上場していない会社の株式(=取引相場のない株式)の評価は、専門用語が多く、つまずきやすい分野です。
今回は、その評価方法の中でも登場頻度が高い「純資産価額方式」に関する○×問題を取り上げ、分かりやすく解説していきます。
⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。
- 純資産価額方式とは?
→「会社が持っている財産の価値をそのまま足し算し、そこから借金を引いて株式の価値を決める方法」のことです。 - 類似業種比準価額方式とは?
→「上場会社(株価が市場で決まっている会社)のデータを参考にして、非上場会社の株価を推測する方法」です。 - よくあるケアレスミスを紹介
→代表的なものは、純資産価額方式と類似業種価額方式の説明を取り違えて覚えてしまう点です。
📘 今回の分野:

今回は、株式の評価における、取引相場のない株式の評価について取り上げます。
取引相場のない株式は、原則的評価方式または特例的評価方式にて評価されます。
FPの勉強をしていないと、もしくは相続関係の仕事に従事していないと、なかなか聞き馴染みの無い用語ではないでしょうか。
少なくとも私は初めて聞きました。笑
しかし、これはチャンスですよ。
初めて聞く用語の意味を知れる。
知識の幅が広がるということです。

一緒に勉強して賢くなりましょう‼️
それでは問題文を確認していきます。
相続税|取引相場のない株式の評価(純資産価額方式、類似業種比準価額方式)
❓️ 問題文の紹介
取引相場のない株式の相続税評価において、純資産価額方式とは、評価会社の株式の価額を、評価会社と事業内容が類似した上場会社の株価および配当金額、利益金額、純資産価額を基にして算出する方式である。
◯か✗か?
今回の問題文は、聞き馴染みのない用語が並んでいますね。💦
純資産価額方式。
FPの勉強をしていないと知らなかった用語です。(少なくとも私は😅)
問われているのは、提示されている用語とその説明文が合致しているかどうか、ですね。
意味を理解していれば解けるはず。
丸暗記は、付け焼き刃的な方法なので、しっかりイメージ出来て、人に伝えられるようにしておきたいですね。
正解を確認しましょう‼️
✅ 正解と解説の要点

取引相場のない株式の相続税評価において、純資産価額方式とは、評価会社の株式の価額を、評価会社と事業内容が類似した上場会社の株価および配当金額、利益金額、純資産価額を基にして算出する方式である。
◯か✗か?
→正解:✗(誤りの文章です。)
正解は✗(バツ)。
誤りの文章でした。
純資産価額方式とその説明文が合っていないということですね。

①純資産価額方式本来の意味と、
②問題に取り上げられた説明文の方式
も併せて確認しておきましょう‼️
✅️ポイント解説
・問題に取り上げられた説明文は、類似業種比準価額方式の求め方です。
・純資産価額方式は、上場会社の株価や利益などは使いません。
・純資産価額方式は、会社が持っている資産(預金、土地、建物など)から負債を引いて、純粋な財産価値(=純資産)をもとに評価する方式です。

つまり「その会社の中身(財産)をそのまま評価する」イメージで考えると理解しやすいです。
🔍 深掘り考察!!
今回は、以下の点について解説していきたいと思います。
- 純資産価額方式とは?
→「会社が持っている財産の価値をそのまま足し算し、そこから借金を引いて株式の価値を決める方法」のことです。 - 類似業種比準価額方式とは?
→「上場会社(株価が市場で決まっている会社)のデータを参考にして、非上場会社の株価を推測する方法」です。 - よくあるケアレスミスを紹介
→代表的なものは、純資産価額方式と類似業種価額方式の説明を取り違えて覚えてしまう点です。
純資産価額方式とは?

ひとことで言うと、
「会社が持っている財産の価値をそのまま足し算し、そこから借金を引いて株式の価値を決める方法」
のことです。
中学生でもイメージできるように言い換えると……
◆中学生向けのイメージ
あなたが大きなリュックを持っているとします。
リュックの中には、
- 現金1万円
- 教科書(売れば2,000円)
- ゲームソフト(売れば3,000円)
が入っているとします。
でも、あなたには友達に借りている1,000円の借金があるとします。
この場合、あなたの「リュックの価値(=純資産)」はこうなります。
1万円 + 2,000円 + 3,000円 ー 1,000円 = 14,000円

この14,000円が、あなたのリュックの本当の価値です。
◆会社に置き換えると?
実際の会社でも同じ考え方です。
会社は、いろいろな財産を持っています。
- 預金
- 土地
- 建物
- 商品
- 機械
- 売掛金(まだもらっていないお金)
などなど、それらを全部いったん「時価」で評価し直します。
そして、そこから会社の負債(借入金、買掛金など)を引き算します。
すると、
会社の財産から借金を引いた“本当の価値(純資産)”
が求められます。

この純資産の価値をベースにして、「会社の株1株あたりの価値」が計算されます。
◆FP試験でのポイント
- 純資産価額方式は会社の中身の価値をまるごと評価する方法
- 外部データ(上場会社の株価や利益)は使わない
- 類似業種比準価額方式と混同しないこと!
◆さらに理解を深める具体例
たとえば、ある小さな会社A社が次のような財産を持っていたとします。
- 預金:1,000万円
- 土地:2,000万円
- 建物:1,000万円
- 車や機械:300万円
合計 4,300万円
負債(借金)が 1,300万円 あったとすると……
純資産:4,300万円 − 1,300万円 = 3,000万円

もし発行株式数が300株なら……
1株あたり10万円の価値
という計算になります。
とてもシンプルですよね。
◆純資産価額方式_まとめ
純資産価額方式は、
「会社が持っている財産 ー 会社の借金」=会社の本当の価値(純資産)
という、シンプルで現実に近い株価の評価方法です。

“会社の中身”をそのまま数字にするイメージで捉えると理解しやすくなります。
類似業種比準価額方式とは?

ひとことで言うと、
「上場会社(株価が市場で決まっている会社)のデータを参考にして、非上場会社の株価を推測する方法」
です。
中学生向けにわかりやすく言いかえると……
◆中学生でもイメージできる説明
たとえば、あなたが “町の小さなパン屋”の価値(株価) を知りたいとします。
でも、そのパン屋は上場していないので、株が市場で売り買いされていません。
だから値段がわかりません。
そこでどうするか?
◆考え方は「似たお店の値段を参考にする」

「似た商売をしている有名なパン屋チェーンが上場しているぞ!」
と気づいたとします。
その上場しているパン屋の、
- 株価
- 利益
- 配当
- 純資産
などのデータが市場に公開されています。
そこでこう考えます。
『同じ“パン屋”という業界だから、規模は違っても似たような価値のつき方になるはず!
じゃあそのデータを参考に、町のパン屋の株価も推測しよう。』

これが、類似業種比準価額方式です。
◆会社の例で説明すると……
あるA社(非上場)が次のような業種だとします。
- 建設業
- 小売業
- 飲食業
- 製造業
など、業種に応じて「同じ業種で上場している会社」が多数あります。
その「上場会社の平均データ」をもとに、
- 配当金額の水準
- 利益の水準
- 純資産の水準
これらを「比べながら」非上場会社A社の株価を計算します。
これが「比準(比べる・準じる)」という名前の意味です。
◆もう少し具体例で理解する
たとえば、上場しているパン屋チェーンの株価が、
- 利益が多いほど株価が高い
- 配当が多いほど株価が高い
- 純資産が多い企業ほど株価が安定している
など、一定の相関関係があるとします。
町のパン屋A店についても、
- どのくらい利益を出しているか
- 実際にどれくらい配当を出しているか
- 店としてどれくらいの資産を持っているか

こうした数字を、上場企業の平均と比べて調整して、
A店の株1株あたりの価値を計算する
という流れです。
◆FP試験での最重要ポイント!
◎外部データ(上場会社のデータ)を使うのはコレ!
- 配当金額
- 利益金額
- 純資産価額
- 株価
これらを「上場会社のデータ」として使うのが 類似業種比準価額方式。
◎逆に純資産価額方式は?
- 自社の資産と負債だけを見る
- 外部データ(上場会社)は一切使わない

試験では この2つの違いを混ぜたひっかけ が本当に多いです。
◆類似業種比準価額方式_まとめ
類似業種比準価額方式とは、
「業種が似ている上場会社のデータを参考に、非上場会社の株価を推測する方法」
です。
- 外部データを使う
- 類似業種の平均値と比べて調整する
- 配当・利益・純資産がポイント
こう覚えると、試験のひっかけに強くなります。
よくあるケアレスミスを紹介

「純資産価額方式」と「類似業種比準価額方式」
に関する問題で受験生がよくしてしまうケアレスミスを、分かりやすく紹介します。
中学生でも理解できるよう噛み砕きつつ、FP試験で間違えやすい“ひっかけポイント”をまとめました。
◆よくあるケアレスミス①
外部データ(上場会社の株価)を使う方式を間違える
最も多いのがこれです。
- 類似業種比準価額方式 → 上場会社のデータを使う
- 純資産価額方式 → 自社の資産・負債だけで決める
という基本がごちゃ混ぜになるパターンです。

混乱しやすい理由は、
名前がどちらも難しくて似ているため、「どっちがどっちだっけ?」となりやすいからです。
◆よくあるケアレスミス②
「純資産=資産 − 負債」の基本構造を飛ばして覚えてしまう
純資産価額方式はとてもシンプルなのに、
「外部データも使うのでは?」
と誤解してしまうケースがあります。
●ポイント
純資産価額方式は “会社というリュックの中身をそのまま評価するだけ”。
外の情報は一切不要です。
◆よくあるケアレスミス③
「比準」という言葉の意味を取り違える
類似業種比準価額方式の「比準」は“比べる・準じる”という意味ですが、
「会社の中身を見る方式かな?」と勘違いしてしまう人がいます。

本来の意味は、上場会社(類似業種)の数字と比べて、非上場会社に当てはめるということです。
◆よくあるケアレスミス④

純資産価額方式=“会社の時価を全部足す”というイメージを忘れる
土地や建物などは「時価」で評価し直す必要があります。
ですが、「簿価(帳簿の金額)のままで良いと思ってしまう」というミスが起こります。

試験では「評価替え(時価に直す)」がポイントです。
◆よくあるケアレスミス⑤
計算問題で“負債の引き忘れ”が起きる
純資産価額方式は
資産 − 負債 = 純資産
という当たり前の構造ですが、計算に出ると意外と抜けがちです。
●例
資産合計:4,300万円
負債合計:1,300万円
→ 純資産は3,000万円
負債を引き忘れると 完全に別の数字 になってしまいます。
◆まとめ:この問題でのひっかけは“方式の取り違え”
今回の問題文も、
「類似業種比準価額方式の説明を、純資産価額方式として書いてくる」
という典型的なひっかけでした。

FP試験では、
どの方式が上場会社のデータを使うのか?
ここだけ押さえれば得点しやすくなります。
まとめ・今回の学び
- 純資産価額方式とは?
→「会社が持っている財産の価値をそのまま足し算し、そこから借金を引いて株式の価値を決める方法」のことです。
→「会社が持っている財産 ー 会社の借金」=会社の本当の価値(純資産) - 類似業種比準価額方式とは?
→「上場会社(株価が市場で決まっている会社)のデータを参考にして、非上場会社の株価を推測する方法」です。
1.上場会社(外部)のデータを使う。
2.類似業種の平均値と比べて調整する。
3.配当・利益・純資産の3要素で評価する。
上記3点を覚えておくとよいです。 - よくあるケアレスミスを紹介
→代表的なものは、純資産価額方式と類似業種価額方式の説明を取り違えて覚えてしまう点です。
その他にも純資産=資産-負債の基本構造を理解していない、もしくは忘れてしまって回答するケースがあります。
また、どの方式が上場会社のデータを使うのかを押さえておくと、得点しやすくなります。
今回は、相続税の株式の評価についての問題文を取り上げて学習しました。

聞き馴染みのない用語が出てきましたが、中身を見てみるとそこまで難しくはなかったのではないでしょうか?
純資産価額方式は、財産から借金を引いたら純資産を求めることが出来る。
その算出した純資産で評価するんだな〜くらいに覚えておきましょう‼️
FP3級はそれで十分だと思います。
次回予告:未定
FP3級の問題についての記事は一旦ここまでです。
次回の記事はFP2級の問題を取り上げようと思っています。
まとまり次第投稿していこうと思っていますので、お楽しみに‼️

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