万一、加入している生命保険会社が破綻してしまったら、契約者の保険はどうなるのでしょうか?
そんな不安をカバーするのが「生命保険契約者保護機構」です。
今回は、破綻時に補償される保険契約の範囲について、正しい理解を深めましょう。
今回の分野:
今回の学習対象は、リスク管理分野における保険制度と契約者保護(金融・年金分野)です。

問題文の紹介:
国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、【□1】の【■2】まで補償される。
□1と■2に入る語句は何か?
- □1:既払込保険料相当額 ■2:70%
- □1:死亡保険金額 ■2:80%
- □1:責任準備金等 ■2:90%
□1には聞き慣れない単語が並んでいました。

死亡保険金額はかろうじて意味が分かる程度でしたが、上記のように並べられると若干の拒絶反応が出ます💦
とりあえず正解を見てみましょう。
正解と解説の要点:
国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、【□1】の【■2】まで補償される。
□1と■2に入る語句は何か?
- □1:既払込保険料相当額 ■2:70%
- □1:死亡保険金額 ■2:80%
- □1:責任準備金等 ■2:90% ←正解
正解は3番でした。
✅️ポイント解説
- 補償の対象となる保険契約に対しては、責任準備金の90%まで補償される仕組みとなっています。
- ただし、高予定利率で契約された商品については補償割合が変動する可能性があるため、注意が必要です。
解説を見ても、正直良くわかりません。
もう少しわかり易い言葉に噛み砕いてみましょう。
【深掘り考察!!】
まずは「生命保険契約者保護機構」って一体どんな組織なのか確認しましょう。
次は選択肢にある名称
- □1:既払込保険料相当額 ■2:70%
- □1:死亡保険金額 ■2:80%
- □1:責任準備金等 ■2:90%
について、それぞれの意味と正答の■2の割合についても確認していきます。
🛡️ 生命保険契約者保護機構ってなに?
たとえば、あなたの家族が「生命保険」に入っていて、毎月お金を払っていたとします。
でも、ある日その保険会社がつぶれてしまったらどうなると思いますか?
本来なら、もしものときにお金を受け取れるはずの保険が、
【会社がなくなったから払えません!】
って言われたら、とても困りますよね。
そこで登場するのが――
💡【生命保険契約者保護機構(せいめいほけん/けいやくしゃ/ほごきこう)】という仕組みです。
これは、簡単にいうと、
🏢 「保険会社がつぶれてしまっても、保険に入っていた人が困らないように助けてくれる団体」
です!
この機構は、他の保険会社が少しずつお金を出し合って作られていて、いざというときに保険金がちゃんと払われるようにサポートしてくれるんです。

🍀 たとえるなら…
学校の給食係さんがケガしてしまって給食を作れなくなったとき、他のクラスの係の人たちが手伝って、みんなに給食がちゃんと配られるようにする――
そんな助け合いの仕組みに、ちょっと似てるかもしれませんね 😊
次に選択肢に出てきた用語「既払込保険料相当額」「死亡保険金額」「責任準備金等」
これらの意味から確認します。
◆「既払込保険料相当額(きばらいこみほけんりょうそうとうがく)」
🔹カンタンに言うと:
これまでに自分が保険会社に払ってきたお金の合計のことです。
🔸たとえば…
もしあなたが毎月1万円の保険料を5年間払っていたら、
1万円 × 12ヶ月 × 5年 = 60万円
これが「既払込保険料相当額」です。
◆「死亡保険金額(しぼうほけんきんがく)」
🔹カンタンに言うと:
その保険に入っている人が亡くなったときに、保険会社から遺族に支払われるお金のことです。
🔸たとえば…
「もしものときに500万円もらえる」という保険なら、
この500万円が死亡保険金額です。
◆「責任準備金等(せきにんじゅんびきん など)」
🔹カンタンに言うと:
保険会社が、将来みんなに保険金を払うために準備しているお金のことです。
このお金は、保険料の一部から貯めているものです。
🔸たとえば…
保険会社は、お客さんが病気になったり亡くなったりしたときに、すぐにお金を払えるように、あらかじめ積み立てておく貯金のようなものが必要です。
それが「責任準備金」と呼ばれるものです。

見やすいように、以下にまとめました。
用語 | 用語の意味 |
---|---|
既払込保険料相当額 | いままで保険に払ってきたお金の合計 |
死亡保険金額 | 保険に入っている人が亡くなったときにもらえるお金 |
責任準備金等 | 保険会社が「もしもの時」のために準備しておくお金の貯金のようなもの |
では、つづいて解答の中身を紐解いてみます。
問題文中の「生命保険会社が破綻した場合」
これは「もしも」のときなので、選択肢の用語の中で当てはまりそうなものは「責任準備金等」が正解肢ということが言えます。
それでは、なぜ90%なのでしょうか。
🛡なぜ「100%」じゃなくて「90%」なの?
それには3つの理由があります:
全部補償すると、モラルハザードが起きる
❓ モラルハザードってなに?
かんたんに言うと、「どうせ全部守られるなら、適当に選んでも大丈夫だ」と思ってしまうこと。
たとえば…
- 危なそうな保険会社でも「つぶれても100%補償されるし」と考えて入ってしまう。
- そうなると、保険会社も気を抜いて、危ない運用をしてしまうかも。
👉 だから、【ちょっとリスクを感じてもらう(=90%)】ことで、
みんなが「ちゃんと安心できる会社を選ぼう」と考えるようになるんです。

補償にかかるお金は、他の保険会社が負担する
生命保険契約者保護機構が補償するときは、他の保険会社からお金を集めてカバーしています。
でも100%補償にすると、他の保険会社の負担がすごく大きくなります。
👉 だから、「90%まで補償」にして、バランスをとっているんです。
保険契約者にも「リスクがある」と知ってもらうため
世の中にはいろんな種類の保険がありますが、保険に入るときにはきちんと内容を理解して選ぶことが大切です。
「もし保険会社が倒産したら90%しか戻らない」とわかっていれば、
- ちゃんと会社の信用力を見る
- 無理な内容の保険に入らない
という行動につながります。
✅なぜ「90%なのか」 の まとめ
理由 | 理由の内容 |
---|---|
① モラルハザード防止 | ぜんぶ守られると、いいかげんな会社を選んでしまうから |
② 財源に限りがある | 他の保険会社もお金を出してるから、全部はムリ |
③ 注意喚起のため | 保険も「リスクがあるもの」って知ってもらいたいから |
まとめ・今回の学び:
- 生命保険契約者保護機構は、契約者の安心を支える重要な制度。
- 保険会社が破綻【もしも】しても、保険契約は責任準備金の90%まで補償される。
- 90%までの保証には3つの理由がある。
次回予告:付加保険料は、どう計算される?
老後に受け取る年金額を少しでも増やしたい…。
そんな方に注目されているのが、付加保険料です。
でも、この“付加”ってどうやって計算されるの?本当に得なの?
次回は、付加保険料の仕組みや計算方法、加入メリット・注意点についてわかりやすく解説!

老後の資金を賢く準備するためのヒントをお届けします。お楽しみに‼️
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