スーパーで食中毒が起きたら、入るべきはこの保険だった!_間違いから学ぶFP3級_第26回

FP

スーパーマーケットや飲食店など、食べ物を提供する事業者にとって「食中毒」は避けたい事故のひとつ。

万が一、お客様が被害を受けてしまったら、企業は賠償責任を問われることになります。

———では、そういったときに使える保険は一体どれなのか、知っていますか?———

こいちろ
こいちろ

こんにちは。こいちろです‼️

今回も隅々まで!くまなく!!
わからないところがなくなるまで、解説していきますね☺️

この記事は、いつも眠気に襲われている筆者が、コーヒー代わりに新たな知識を接種して覚醒するためのブログです‼️

⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。

  • 施設所有(管理)者賠償責任保険は何に備える保険?
  • 食品で食中毒が起きた場合に補償してくれるのは、生産物賠償責任保険‼️
  • その他の賠償責任保険にどのようなものがあるか?


📘 今回の分野:リスク管理(損害保険)/賠償責任保険

今回学ぶ範囲は、リスク管理(損害保険)/賠償責任保険です。

企業活動における第三者への賠償責任と、それに備える保険について学びます。

類似の保険商品があるので、その使い分け、補償範囲をしっかり把握していきましょう‼️


❓️問題文の紹介

問題文の要約

スーパーマーケットを経営する企業が、店舗内で調理・販売した食品が原因で食中毒を発生させ、
顧客に対して法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する保険として、
施設所有(管理)者賠償責任保険がある。

◯か✗か?

こいちろ
こいちろ

私は◯にしました。
スーパーマーケット=施設。
「施設」内で起きた事象の損害賠償だから◯‼️
という思考回路で解答しました。

注目すべき点はどこでしょうか?

損害の直接的な原因にあたるのは「食品による食中毒」です。

賠償責任保険の種類には、問題文中にあるモノ以外にもいくつかあるようです。

今回焦点があたっている部分を対象とした保険があるようですので、正解とともに確認しましょう。


✅ 正解と解説の要点

問題文の要約

スーパーマーケットを経営する企業が、店舗内で調理・販売した食品が原因で食中毒を発生させ、
顧客に対して法律上の損害賠償責任を負うことによって被る損害を補償する保険として、
施設所有(管理)者賠償責任保険がある。

◯か✗か? →正解:✘

正解は✘。その理由は以下に説明します。

✅️ポイント解説


施設所有(管理)者賠償責任保険は、建物の構造上の欠陥や設備の不備などにより、
来訪者がケガをした場合などの「施設の管理ミス」による賠償責任を補償する保険です。

しかし、今回のように【店舗で調理・販売した「製品(食品)」に起因する事故(食中毒)】は、
【生産物賠償責任保険(PL保険)】が対象になります。


🔍 深掘り考察!!:

今回の考察は、以下の点について解説していきたいと思います。

  • 施設所有(管理)者賠償責任保険は何に備える保険?
  • 食品で食中毒が起きた場合に補償してくれるのは、生産物賠償責任保険‼️
  • その他の賠償責任保険にどのようなものがあるか?

🏢 施設所有(管理)者賠償責任保険は何に備える保険?

これは、建物や施設の管理ミスが原因で、来た人にケガをさせてしまった場合の保険です。

🔍 たとえば…

  • スーパーマーケットで床が濡れていて、客が滑って骨折した
  • 飲食店の看板が強風で落ちて通行人にぶつかった
  • 店の階段の手すりが外れて、客が転倒してケガをした

→ こういった「施設そのものの問題」が原因の事故は、施設所有者賠償責任保険の出番です。


🍙 食品で食中毒が起きた場合に補償してくれるのは、生産物賠償責任保険‼️

これは、売った商品や提供した食べ物が原因で、相手に被害を与えたときに補償される保険です。

🔍 たとえば…

  • 惣菜コーナーで販売したポテトサラダで食中毒が発生した
  • テイクアウトの弁当に異物が混入していて、お客さんがケガをした
  • スーパーで売った家電製品が爆発し、顧客の家の一部を損壊させた

→ これらは「施設の問題ではなく、商品や提供物の不備が原因」なので、PL保険(生産物賠償責任保険)の出番です。


🍜 たとえ話:2つの保険を絡めて、ラーメン屋さんで考えると…

  • 🍥 お店の床が濡れていて、お客さんが滑って転んだ → 施設の問題 → 施設所有者賠償責任保険
  • 🍥 出したラーメンにガラス片が入っていて、お客さんがケガをした → 提供物(製品)の問題 → PL保険

🎯 つまり何が言いたいかというと…

「事故の原因が、建物や管理状態にあるのか?」
「それとも、売った物や提供した物にあるのか?」

この視点の違いが、保険の使い分けのポイントなんです。


✅ 試験で問われやすいチェックポイント

事故の原因該当する保険
濡れた床・壊れた階段施設所有(管理)者賠償責任保険
食中毒・異物混入生産物賠償責任保険(PL保険)

✨ 施設所有(管理)者賠償責任保険/PL保険 使い分けまとめ

  • 「施設管理のミス」→ 施設所有(管理)者賠償責任保険
  • 「売ったもの・提供したものの不具合」→ 生産物賠償責任保険(PL保険)
  • 原因に注目すれば、使う保険が自然にわかる!

その他の賠償責任保険にどのようなものがあるか?

①を施設所有(管理)者賠償責任保険、②をPL保険 として比較表を作ります。

①と②については、前述しているので③以降について少しだけ解説しておきましょう‼️

③ 請負業者賠償責任保険

特徴:
建築・修理などの作業中に、他人の物や人に損害を与えた場合に補償。

補償される例:
工事現場で誤って工具を落とし、通行人に当たってケガをさせた。


④ 生産物完成作業危険補償特約(工事業者用PL保険)

特徴:
工事が終わった後に、施工物の欠陥などで損害が発生した場合を補償。

補償される例:
施工ミスで取り付けた棚が後日落下し、住人がケガをした。


⑤ 個人賠償責任保険

特徴:
日常生活における偶発的な事故で、他人に損害を与えた場合に補償。
自転車事故・こどものいたずらなども対象。

補償される例:
子どもが遊んでいて他人の家の窓ガラスを割った。


⑥ 自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)

特徴:
自動車事故で他人を死傷させた場合の最低限の補償を国が義務化している保険。

補償される例:
自転車との接触事故で相手にケガをさせた(対人事故)。


⑦ 使用者賠償責任保険

特徴:
会社が従業員に対して、労災事故などで損害賠償責任を負ったときの補償。

補償される例:
安全管理を怠った職場で従業員が事故に遭い、会社が訴えられた。


⑧ 医療施設賠償責任保険

特徴:
医療ミスや設備トラブルなどにより、患者に損害を与えたときの補償。

補償される例:
誤診による治療ミスで患者が後遺症を負った。


✅ 賠償責任保険_まとめ表

保険名主な対象補償例
①施設所有者賠償建物・施設の管理濡れた床で転倒
②PL保険商品・製品食品の異物混入
③請負業者賠償工事・作業中の事故工具の落下事故
④生産物完成危険工事後の不具合棚の落下
⑤個人賠償日常の偶発事故子のいたずら
⑥自賠責保険自動車事故人身事故
⑦使用者賠償労働災害従業員がケガ
⑧医療施設賠償医療ミス誤診による損害

ちなみに・・・:PLってなんの略?

「PL保険」の「PL」とは、英語で Product Liability(プロダクト・ライアビリティ) の略です。

こいちろ
こいちろ

日本語に訳すと「製造物責任」という意味になります。

📝 まとめ・今回の学び

  • 施設所有(管理)者賠償責任保険は、施設そのものが原因の事故に対応
  • 食中毒のように、販売・提供したものが原因の事故にはPL保険が必要
  • FP試験では「補償の範囲」をしっかり区別しておくことが重要!

次回予告:所得税における地震保険料の控除額は?

地震に備えて加入する地震保険。
実は、支払った保険料の一部は「地震保険料控除」として所得税の軽減対象になります。

では、次の内容は正しいでしょうか?

「所得税において、個人が支払う地震保険の保険料は、5万円を限度として年間支払保険料の2分の1相当額が地震保険料控除の対象となる。」

◯か✘か?――迷ったあなたにこそ読んでほしい!

こいちろ
こいちろ

控除の仕組みと限度額、勘違いしやすいポイントを、次回はわかりやすく解説していきます!


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