【通勤手当の仕組みを解説】電車・バス通勤の手当、いくらまで非課税なの?_間違いから学ぶFP3級_第37回

FP

毎日の通勤で、電車やバスを使っている人は多いですよね。

実は、その「通勤にかかるお金」が税金の面で優遇されていることをご存じですか?

今回は、通勤手当がどこまで非課税になるのか、そしてその仕組みをわかりやすく解説していきます!

⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。

  • 通勤手当の非課税限度額(月額)はいくらなのか?
    15万円まで非課税です。
  • マイカー通勤では非課税限度額は異なるのか?
    異なります。マイカーは人による部分が大きいです。
  • 通勤手当の他に、非課税となる所得の種類は何があるのか?
    →今回は通勤手当を含め、5種類紹介します。

📘 今回の分野:タックスプランニング/税制と所得税の基礎

今回学習する範囲は、タックスプランニングの税制と所得税の基礎になります。

所得を得れば、税金がかかります。

ただし、「非課税となる所得」が存在しています。

こいちろ
こいちろ

今回はこの「非課税となる所得」について、掘り下げていこうと思います。

❓️ 問題文の紹介

問題文の要約

電車・バス等の交通機関を利用して通勤している給与所得者が、勤務先から受ける通勤手当は、所得税法上、月額10万円を限度に非課税とされる。

この記述は○か×か?

問題文で間違っている可能性があるのは、10万円の「金額」の部分とそもそも「非課税」なのか、という点です。

✅ 正解と解説の要点

問題文の要約

電車・バス等の交通機関を利用して通勤している給与所得者が、勤務先から受ける通勤手当は、所得税法上、月額10万円を限度に非課税とされる。

この記述は○か×か?

→正解:✘(誤り)

今回の問題文は誤りの文でした。

こいちろ
こいちろ

どの点が誤りだったのか、ポイント解説を見てみましょう。

✅️ポイント解説

電車やバスなどの公共交通機関を使って通勤している人が会社から受け取る通勤手当については、月額15万円までが非課税と法律で定められています。

つまり、15万円を超える部分があれば、その超えた分だけが課税対象になるということです。

🔍 深掘り考察!!

今回は、以下の点について解説していきたいと思います。

  • 通勤手当の非課税限度額(月額)はいくらなのか?
    15万円まで非課税です。
  • マイカー通勤では非課税限度額は異なるのか?
    異なります。マイカーは人による部分が大きいです。
  • 通勤手当の他に、非課税となる所得の種類は何があるのか?
    →今回は通勤手当を含め、5種類紹介します。

通勤手当の非課税限度額(月額)はいくらなのか?

▶ 公共交通機関(電車・バス等)を利用する場合

月額15万円までが非課税です。

たとえば、定期代が月に13万円かかる場合、それは全額が非課税。
でも、月に16万円かかる場合は、「超えた1万円分」だけが課税されるというルールです。


✅ なぜ15万円まで非課税なの?(意図と背景)

「会社に行くのに自腹切るのってどうなの?」

「全額出してくれてもいいじゃん!」

という声が聞こえてきそうですね。笑

私も人ごとではないので笑ってられないのですが、ルールなのでしようがないです。

しっかりルールを把握して、損しないよう行動しましょう‼️

以降に意図と背景をまとめていますので、一緒に確認していきましょう。


■ 1. 通勤は“仕事をするための必要経費”だから

毎日職場に行くためには、電車やバス、場合によっては自家用車を使う必要がありますよね。
つまり、通勤費は仕事の一部にかかるコストです。

もしこの費用にまで税金がかかってしまうと、働く人の負担が増えてしまうんです。
そこで「ある程度までは税金をかけないようにしよう」という配慮がなされました。


■ 2. 実際の交通費の高騰に対応するため

以前は月額10万円が上限でしたが、
都市部での交通費の高騰や、長距離通勤の増加に対応するため、2016年(平成28年)に15万円へ引き上げられました。

今では、郊外から都心への通勤にかかる定期代が10万円を超えるケースも珍しくありません。
そういった現実に即した見直しが行われたわけです。


■ 3. 社会的な公平性の確保

たとえば、家の近くで働ける人と、遠くまで通勤しなければならない人では、通勤費がまったく違います。
でも、それは個人の努力や選択ではどうにもならない場合もありますよね。

だからこそ、通勤距離の違いで税負担に差が出すぎないように、非課税枠が設けられているんです。


🎓 非課税限度額_まとめ

  • 公共交通機関を使う場合、通勤手当は月15万円まで非課税
  • 「通勤は仕事に必要なコスト」という考え方が背景にある
  • 社会的な公平性や現実の通勤事情に対応するための制度

マイカー通勤では非課税限度額は異なるのか?

✅ 非課税限度額:通勤距離に応じて金額が決まっている

ガソリン代や車の維持費には個人差があり、実際の支出がつかみにくいため、
片道の通勤距離ごとに定額で非課税限度額が定められています。

📊 距離別・非課税限度額(月額)

通勤距離(片道)非課税限度額(月額)
2km未満非課税なし
2km~10km未満4,200円
10km~15km未満7,100円
15km~25km未満12,900円
25km~35km未満18,700円
35km以上24,400円

※この金額は、勤務日数が「1か月に15日以上」の場合の目安です。
勤務日数が少ない場合は、金額が按分されることもあります。


❓ なぜ非課税限度額が違うの?

✅ 公共交通機関は「実費ベース」だから

実際にかかった定期券代などが明確にわかるため、高めの上限(月15万円)が認められています。

✅ マイカーは「実費が人によって違いすぎる」から

ガソリン代や車種、メンテナンス費用などがバラバラなので、
公平性を保つために距離に応じた「定額」ルールが設けられています。


🎓 公共交通機関とマイカーの比較_まとめ

通勤手段非課税限度額
公共交通機関(電車・バス)月額 15万円まで実費ベース
マイカー・バイク通勤片道距離に応じて 定額制(最大24,400円)

「マイカーでもバスでも、かかった分は支給してよ。」

と思うかもしれませんが、管理する側の立場から見ると際限がなく、管理しきれないと思います。

第三者的な視点を持って、物事を見ると理解しやすいかもしれません。


通勤手当の他に、非課税となる所得の種類は何があるのか?

🌟 主な非課税所得の例を以下にざっくり紹介していきます。

① 通勤手当(※上限あり)

※今回学んだ範囲です。
電車やバスでの通勤手当は、月15万円まで非課税
マイカー通勤は距離に応じた定額制ですね(さきほど説明した内容です!)。


② 祝い金・見舞金など(一定の範囲で)

結婚祝いや災害見舞金などは、社会通念上相当とされる範囲内で非課税です。
※高額すぎると課税対象になることもあるので注意!


③ 健康保険や雇用保険からの給付金

  • 傷病手当金
  • 出産手当金
  • 失業給付(失業保険)
    これらはすべて非課税です。困っているときの支援には税金をかけないという配慮です。

④ 遺族年金・障害年金(公的年金の一部)

老齢年金とは違って、遺族や障害に関する年金は非課税となります。


⑤ 学資金や奨学金

文部科学省などから支給される奨学金や、会社の子ども向け学資援助金なども条件付きで非課税です。


✏️ ポイント

非課税になるものには、

  • 生活支援のための給付
  • 社会的な慣習に基づくもの
    など、国の「やさしさ」や「配慮」が込められていることが多いんですね。

本格的に学ぶなら「非課税所得の一覧」をじっくり押さえる必要がありますが、
まずは「困っているときや、お祝い事には税金がかからないこともあるんだな」という感覚を持っておけばOKです!


まとめ・今回の学び

  • 公共交通機関を使った通勤手当は月15万円まで非課税です。
  • 15万円を超える部分は課税されます。
  • マイカー通勤は通勤距離に応じた定額制の非課税限度額があります。
  • 通勤にかかる費用にも税制面での配慮がされています。
  • 通勤手当以外にも「非課税となる所得」があります。

次回予告:所得税 国債等の特定公社債の利子について

「所得税において、国債や地方債などの特定公社債の利子は、総合課税の対象となる?」

普段あまり意識しない“債券の利子”にも、実はちゃんと税金のルールがあります。

「国の借金(国債)でも税金がかかるの?」「総合課税ってなに?」

そんな疑問をスッキリ解決するために、次回は特定公社債の利子の課税方法についてわかりやすく解説します!

こいちろ
こいちろ

次回も問題文のわからない単語を深堀りしていきます。
お楽しみに‼️

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