【相続×贈与】3年以内の生前贈与が課税されるワケを徹底解説_間違いから学ぶFP3級_第74回

FP

相続税の計算では、「被相続人から生前に受けた贈与」をどう扱うかが大きなポイントになります。

特に、相続が始まる少し前に贈与を受けていた場合は、その贈与財産が「なかったこと」にはなりません。

しっかりと課税価格に加算するルールがあるのです。

このルールは試験でもよく出る重要ポイントです。

こいちろ
こいちろ

今回は、その内容を問題文を通して確認していきます。

⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。

  • 暦年課税方式とは?
    → 1年間にもらった贈与の合計額に対して、贈与税を計算するという方法です。
  • 暦年課税方式による生前贈与加算とは?
    相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与財産を、相続税の課税対象に加える制度のことです。
  • なぜ3年以内なのか?
    →目的は、税金(相続税)逃れを防ぐためです。

📘 今回の分野:相続・事業承継/相続税

今回は前回に引き続き、相続税における問題文を取り上げます。

相続・事業承継は「相続税や贈与税、所得税」が絡んでくるので、個人的にかなり苦手意識の高い分野です。

この記事で、相続税について深堀りして理解を深めていただければと思います。

私もそこまで詳しくありませが、一生懸命調べましたので、一緒に切磋琢磨して学習していきましょう‼️

  • 分野:相続・贈与
  • テーマ:相続税の課税価格に加算される「相続開始前3年以内の贈与財産」

❓️ 問題文の紹介

問題文の要約

本年中に相続または遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前【□1】以内に暦年課税方式により被相続人から贈与により取得した財産があるときは、その財産の【■2】における時価により評価した金額を、原則として相続税の課税価格に加算する。

【□1、■2】に入る数値、用語はなにか?

この問題は、3回中3回とも間違ってしまった、苦手な問題です。

□1、■2それぞれの選択肢は以下のとおりです。

  1. □1:3年、■2:相続開始時
  2. □1:3年、■2:贈与開始時
  3. □1:5年、■2:相続開始時

FPの問題って3年とか5年という期間が多いんですよね。

そういう風に感じているのは私だけじゃないはず!

こいちろ
こいちろ

問題を見るたびに「あれー・・・何年だっけ?」と悩んでしまいます。

また、生前贈与の話なので、相続なのか、贈与なのか混乱してしまいました。

しっかり整理して理解していきたいですね。

正解を確認していきましょう‼️

✅ 正解と解説の要点

問題文の要約

本年中に相続または遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前【□1】以内に暦年課税方式により被相続人から贈与により取得した財産があるときは、その財産の【■2】における時価により評価した金額を、原則として相続税の課税価格に加算する。

【□1、■2】に入る数値、用語はなにか?

→正解:【□1】→ 3年、【■2】→ 贈与時

正解はそれぞれ、【□1: 3年、■2:贈与時】でした。

生前贈与のことだから、贈与時の価額をもって計算するということなのでしょうか。

こう考えるとわかりやすいかもしれませんね。

ポイント解説を確認して理解を深めましょう‼️

✅️ポイント解説

解説:
相続が始まる前の3年以内に、被相続人(亡くなった人)から贈与を受けていた場合、その贈与財産は相続税の課税価格に加算されます。

※2027年以降の相続については、段階的に最長7年まで延びるとされています。

このとき評価するのは、相続開始時の時価ではなく、贈与時点の価額です。

こいちろ
こいちろ

つまり、「生前に贈与したからといって課税対象から逃れられる」ということにはならない仕組みになっています。

🔍 深掘り考察!!

今回は、以下の点について解説していきたいと思います。

  • 暦年課税方式とは?
    → 1年間にもらった贈与の合計額に対して、贈与税を計算するという方法です。
  • 暦年課税方式による生前贈与加算とは?
    相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与財産を、相続税の課税対象に加える制度のことです。
  • なぜ3年以内なのか?
    →目的は、税金(相続税)逃れを防ぐためです。

暦年課税方式とは?

「暦年課税(れきねんかぜい)方式」という言葉は、贈与税(ぞうよぜい)を計算するときによく出てきます。

ちょっとむずかしそうに聞こえますが、仕組みはとてもシンプルです。

こいちろ
こいちろ

学生でもイメージできるよう、簡潔に説明していきます。


🧾 まずは「贈与税(ぞうよぜい)」ってなに?

誰かからお金や財産(たとえば土地や家、株など)をもらったときにかかる税金のことを「贈与税」といいます。

たとえば、おじいちゃんから100万円をもらったら、それは「贈与」です。


📅 「暦年課税方式」=1年ごとに税金を計算するルール

「暦年(れきねん)」とは、1月1日〜12月31日までの1年間のことです。

つまり「暦年課税方式」とは、

「1年間にもらった贈与の合計額に対して、贈与税を計算する。」

という方法です。


💰 具体例でイメージしよう!

例1:100万円もらった場合

1年間にもらったお金が100万円なら、

基礎控除(きそこうじょ)という 110万円までは非課税(税金がかからない) 制度があるので、贈与税はゼロです!

計算:100万円 − 110万円(基礎控除)= 0円 → 贈与税なし


例2:200万円もらった場合

1年間で200万円もらったら…

  • 200万円 − 110万円(基礎控除)= 90万円
    この90万円に対して贈与税がかかります。

税率は90万円だと10%なので、

贈与税 = 90万円 × 10% = 9万円


例3:2年に分けてもらう場合

仮に、220万円を1年でまとめてもらうと……

220万円 − 110万円 = 110万円に課税
→ 110万円 × 10% = 11万円の贈与税

でも、110万円ずつ2年に分けてもらえば

1年目:110万円 − 110万円 = 0円
2年目:110万円 − 110万円 = 0円

こいちろ
こいちろ

つまり、贈与税はゼロになるのです。


📌 ここがポイント!

  • 「暦年課税方式」は1年単位で贈与税を計算する
  • 110万円までは非課税(ただし合計額で判断)
  • 何回に分けても、1年で110万円を超えたら課税対象
  • 逆に、110万円以内に分ければ税金がかからないケースもある

🧠 ちょっと補足

この方式は「一般的な贈与」のときに使われる方法です。

相続税対策としてよく使われる一方で、亡くなる前3年以内の贈与は相続税の計算に加算されるというルールもあります。

こいちろ
こいちろ

これが「生前贈与加算」と呼ばれるものです。


✨ 暦年課税方式_まとめ

  • 「暦年課税方式」は、贈与税を1年ごとにもらった額で計算する方法
  • 110万円までなら税金はかからない
  • 分け方によっては節税効果もある
  • ただし相続直前の贈与は加算されるので注意!

暦年課税方式による生前贈与加算とは?

「暦年課税方式による生前贈与加算(せいぜんぞうよかさん)」は、相続税(そうぞくぜい)の計算でとてもよく出てくる重要なルールです。

一言で言うと、

「亡くなる直前の“生前贈与”は、相続税の対象に戻しますよ」

という仕組みです。

こいちろ
こいちろ

ちょっとむずかしそうに聞こえますが、やさしく噛み砕いて説明しますね!


🧓 まずは「生前贈与(せいぜんぞうよ)」とは?

生前贈与とは、
👉 人が亡くなる前に、自分の財産(お金・土地・家など)を他の人にあげることです。

たとえば…

「おじいちゃんが生きているうちに、孫に100万円をあげる。」

これが「生前贈与」です。


📅 「暦年課税方式」で贈与した場合

生前贈与のときによく使われるのが「暦年課税方式」です。

1年ごとに、110万円までは税金がかからない仕組みでしたね👇

  • 1年間に110万円以内 → 贈与税なし
  • 110万円を超えると → 贈与税がかかる

🧮 でも…「亡くなる3年以内」の贈与は戻される!

ここが 「生前贈与加算」 のポイントです。

亡くなる3年前までにあげた財産(暦年課税で贈与された分)は、相続税の課税価格に 加算 されます。

なぜなら、

「亡くなる直前に財産をあげれば相続税を逃れられる」

などというズルをされないようにするためです。


💰 具体例でイメージ!

例:おじいちゃんのケース

  • おじいちゃんは2025年12月に亡くなった
  • 2024年に孫に300万円を贈与していた(暦年課税)
  • 亡くなる3年以内の贈与なので…

この300万円は相続税の課税価格に戻される(加算される)のです。

つまり、「贈与してなかったこと」にされるわけではなく、「贈与はしたけど、相続税の計算にはちゃんと入れる」ということです。


🧮 加算される金額は「贈与時の時価」

注意点があります👇

相続開始時の金額ではなく、贈与時の価値(時価)で計算します。

こいちろ
こいちろ

たとえば、株を贈与していて価値が上がっていた場合は、上がった後の金額で相続税に加算されます。


🧾 贈与税はどうなるの?

「え? じゃあ贈与税と相続税、両方かかっちゃうの?」

と思う方もいるかもしれません。

大丈夫です。

もしその贈与に贈与税を払っていたら、その分は相続税から差し引かれます

二重に課税されることはありません。


📌 ここがポイント!

  • 亡くなる 3年以内 の暦年課税による贈与は、相続税に加算されます。
  • 加算する金額は「贈与時の時価」
  • 贈与税を払っていた場合は控除されます。
  • 税金逃れを防ぐための仕組みとなっています。

✨ 暦年課税方式による生前贈与加算_まとめ

一覧表にしてまとめました。

お役に立てれば幸いです。

内容ポイント
対象亡くなる3年以内の暦年課税による贈与
加算する金額贈与時の時価
贈与税との関係払っていた贈与税は相続税から差し引ける
目的生前贈与による課税逃れの防止

📊 たとえ話でイメージ

おじいちゃんが亡くなる3日前に「相続税を減らすために」孫に1,000万円をプレゼントしたとします。

そのままでは孫は贈与税110万円分を超える額に対して少し払うだけで済むかもしれません。

でも、生前贈与加算があるので「その1,000万円は相続財産に戻して、ちゃんと相続税も計算しますよ」ということになるのです。


🏁 さいごに

「暦年課税方式による生前贈与加算」は、FP試験でもよく出る超頻出ポイントです。

  • 「3年以内」
  • 「相続開始時の時価」
  • 「贈与税は控除」

この3点をおさえておけば、試験でも実務でも安心です。


なぜ3年以内なのか?

「なぜ 3年以内 の贈与が相続税に加算されるのか?」というのは、税金のルールを理解するうえでとても大事なポイントです。

こいちろ
こいちろ

ちょっとむずかしそうに聞こえますが、イメージとたとえ話を交えて解説します。


🧓 相続税は「亡くなった人の財産」にかかる税金

そもそも相続税とは、「亡くなった人が持っていた財産にかかる税金」です。

たとえば、おじいちゃんが亡くなって

・現金 2,000万円
・土地 1,000万円

を持っていたら、「3,000万円分に相続税がかかる」という仕組みです。


🏃‍♂️ でも…亡くなる直前に財産をあげたら?

もしこの相続税を少なくしたい人がいたら、こんなことを思いつくかもしれません。

「亡くなる直前に子どもや孫にお金をあげちゃえば、相続財産が減って、相続税も減るんじゃない?」

たとえば、亡くなる前に2,000万円を子どもにあげてしまえば、残っている財産は1,000万円だけです。

そうすると、かかる相続税が少なくなる(またはゼロになる)可能性がありますよね。


🚫 これを防ぐために「3年ルール」がある!

税金の制度をつくる国(税務署)は、こう考えました👇

「亡くなる直前に財産をあげて税金を減らすようなことをされたら、税制が崩れてしまう…!」

そこでできたのが

「亡くなる3年以内の贈与は、相続税に加算する」というルール です。

こいちろ
こいちろ

つまり、「直前にあげた財産も、ちゃんと相続財産として計算しますよ」という仕組みなんです。


💰 具体例でイメージ

例:3年ルールがなかったら…

  • おじいちゃんの財産:3,000万円あるとします。
  • この財産を相続する場合は相続税がかかります。

でも亡くなる直前に子どもに2,000万円を贈与してしまえば…
👉 相続財産は1,000万円だけ。
👉 相続税が安くなる or かからない可能性もあります!


例:3年ルールがある場合

  • おじいちゃんが亡くなる3年前に贈与した2,000万円も、相続税の対象に「戻されます」。

つまり、

「3,000万円(=2,000万円+1,000万円)に相続税がかかる。」

となるわけです。


🕒 なぜ「3年」という期間なのか?

「じゃあ5年とか10年じゃなくて、なぜ3年?」という疑問も出てきますよね。

実はこの「3年」という期間は、

  • あまりに短いと抜け道ができる
  • あまりに長いと、長期間さかのぼるのが大変

というバランスを考えて決められた現実的な期間なんです。

3年くらいであれば、

  • 「亡くなる直前の“意図的な”贈与」をきちんとカバーできる点
  • しかも、調査もしやすい点

この2つの理由から、3年とされています。


📌 ここがポイント!

  • 相続税を減らすための“直前の贈与”を防ぐための仕組み
  • 3年以内の贈与は、相続税の課税価格に戻される
  • 3年という期間は、課税の公平さと調査のしやすさのバランス

✨ なぜ3年なのか_まとめ

こいちろ
こいちろ

こちらも一覧表にしましたので、活用ください。

内容ポイント
目的税金逃れ(直前の生前贈与)を防ぐため
期間亡くなる 3年以内 の贈与
処理相続税の課税価格に 加算
理由公平性と実務のバランス(調査しやすさ+防止効果)

🧠 たとえ話でさらにイメージ

たとえば、
「卒業間際に先生に内緒で友達に教科書を全部あげちゃえば、自分は持ち物検査で“何もない”って言えるじゃん!」

…と考えるズルい人がいたとします😅

でも、学校側が

「卒業の直前3日以内に渡した物は持ち物に含めます!」

と決めておけば、そのズルは防げますよね。

こいちろ
こいちろ

これと同じで、税金の世界でも「亡くなる直前の贈与」をちゃんと戻して公平にしているのです。


📝 まとめのひとこと

「3年ルール」は、

  • 相続税の「公平さ」を守るための大切な仕組みです。
  • 直前の贈与はちゃんと戻されるので、うまく“抜け道”にすることはできません!

まとめ・今回の学び

  • 暦年課税方式とは?
    → 1年間にもらった贈与の合計額に対して、贈与税を計算するという方法です。
    →ただし、相続直前の贈与は加算されるので注意!
  • 暦年課税方式による生前贈与加算とは?
    相続開始前3年以内に被相続人から受けた贈与財産を、相続税の課税対象に加える制度のことです。
    →贈与時の価額を加算します。
  • なぜ3年以内なのか?
    →目的は、税金(相続税)逃れを防ぐためです。
    →亡くなる直前の意図的な贈与をカバーでき、調査しやすい点も「3年」である理由です。

次回予告:相続税の申告

相続が発生したとき、忘れてはいけないのが「相続税の申告」です。

申告書を提出する先は「どこの税務署か?」という点が、意外と試験でもよく問われます。

次回は、
「国内に住所を有するAさんが死亡した場合、Aさんの相続における相続税の申告書の提出先は、Aさんの死亡の時における住所地の所轄税務署長である。◯か✗か?」
について詳しく解説していきます。

実務でも重要なこのポイント、しっかり整理しておきましょう✍️✨

お楽しみに‼️


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