「年金の保険って、“変額”って書いてあるけど、なんだか不安…」
そんな風に感じたことはありませんか?
今回は、FP3級でつまずきやすい「一時払変額個人年金保険」について、
仕組みや注意点をやさしく深掘りしていきます!
今回の分野
今回取り上げる分野は、リスク管理分野における生命保険の種類と契約の範囲です。
今回はそのうちの一つ「一時払変額個人年金保険」の特徴について詳しく見ていきます。
前回は「定期保険特約終身保険」の特徴について詳しく解説しました。
前回内容が気になる方は下記の記事をご確認ください。
問題文の紹介:
一時払変額個人年金保険は、【□1】の運用実績に基づいて保険金額等が変動するが、一般に、【■2】については最低保証がある。
□1, ■2 に当てはまる語句を答えなさい。
変額個人年金保険という仕組みを理解していないと、正解は得られません。

私の解答は、□1:特別勘定、■2:解約返戻金
としました。
□1は合っていましたが、■2が不正解でした💦
正解の確認をして、「一時払変額個人年金保険」というものが何なのか、正しく理解しましょう!
正解と解説の要点
一時払変額個人年金保険は、【□1】の運用実績に基づいて保険金額等が変動するが、一般に、【■2】については最低保証がある。
□1, ■2 に当てはまる語句を答えなさい。
→正解:□1_特別勘定、■2_死亡給付金
✅️ポイント解説:
- この保険は「特別勘定」という場所で運用されるため、元本が保証されているわけではありません。
- でも、途中で亡くなってしまったときの死亡保険金には、「最低でもこれだけは出ますよ」という保証がついています。
深掘り考察!!
そもそも「変額個人年金保険」って何?
- 年金保険の一種で、「お金を預けておいて、将来ちょっとずつ受け取る」保険です。
- 「変額」とは、運用結果によってもらえる金額が変わるという意味です。
- 「一時払」とは、最初にまとめてお金を払うタイプの契約のこと。
🎒たとえば、こんなイメージ!
- お年玉やおこづかいをまとめて誰かに預けて、「10年後に増やして返してね!」ってお願いする。
- 預けたお金を、保険会社が株や投資信託などで運用します。
(=お金をふやすための工夫をしてくれる。) - うまくいけば多くもらえる!でも失敗すれば少なくなる可能性もある。
🧮名前の意味を分解してみよう
一時払変額個人年金保険。。。
長い名前ですね。
こういうのは一度分解して意味を確認するのが一番です。

長い名前は、分解したほうが覚えやすいですよ☺️
用語 | 意味 |
---|---|
一時払 | 最初にまとめてお金を払うタイプの契約のこと |
変額 | 運用の成績で金額が変わること |
個人年金 | 自分のための「将来もらえるお金」=年金 |
保険 | 一定のルールでお金がもらえるしくみ |
✅️ポイントまとめ
- お金を一括(いっかつ)で払って、将来コツコツ年金としてもらう。
- もらえる金額は増えることもあれば、減ることもある(=リスクがある)。
- 死亡したときに出るお金には「最低保証」がついていることが多い。
- 解約(途中でやめる)したときのお金は、減ってしまうこともある。
🎓どんな人に向いてるの?
- お金をふやしたいと思っている人
- 長くお金を預けられる人
- リスク(増えたり減ったりすること)を理解して受け入れられる人
特別勘定って何?
- 保険会社が資産運用をする“別の財布”のようなもの。
- 運用がうまくいけば多くもらえるけど、悪ければ少なくなるリスクもあります。
🏠 お金の部屋が2つあるイメージ
保険会社には、お金を管理する2つの「部屋」があります。
名前 | 特徴 |
---|---|
一般勘定 | 保険会社が責任をもって、安定的に運用する部屋(主に定額型の保険) |
特別勘定 | 契約者のお金を、株式や投資信託などで運用するための部屋(主に変額型の保険) |
🎒例えるなら…

おこづかいを「貯金箱」と「投資箱」に分けるようなものです。
- 貯金箱(=一般勘定)→ 安全重視。確実に増えないけど減らない。
- 投資箱(=特別勘定)→ 増えるかもしれないけど、減るかもしれない。
💡なぜ分けているの?
特別勘定では、「お金を増やすための投資」をするから、リスク(増減)が大きいです。
だから、保険会社のお金(一般勘定)とは混ぜずに、契約者ごとにちゃんと分けて管理する必要があるんです。
📈 特別勘定で運用されるとどうなる?
- 成績が良ければ:将来もらえる年金や保険金が増える
- 成績が悪ければ:将来もらえる金額が減る可能性も
最低保証があるのはどこ?
- 運用で損することもあるけれど、死亡した場合の保険金には「最低でもこの金額はもらえる」というラインがあります。
- でも、解約したときの戻ってくるお金(解約返戻金)には保証がないので注意!
「変額個人年金保険」って、お金を投資で増やすことができる保険だけど、運用がうまくいかなかった場合、将来もらえるお金が減ることもあります。

でも、全部が不安ってわけではないですよ!
✅ 最低保証があるのは「死亡保険金」
たとえば、もし保険に入っていた人が亡くなったとき――
そのときの保険金には「これだけは必ず出します」という最低保証があります。
つまり、
「投資が失敗しても、亡くなったときの保険金は最低でもこの金額は出します」
という安心のしくみがあるってこと。
だから、残された家族の生活を守るための保険としては、ちゃんと支えになりますよ。
⚠️ 最低保証がないのは「解約返戻金」
一方で、途中で保険をやめてお金を戻してもらうとき(=解約返戻金)は話が違います。
このときは、
「運用が悪かったら、戻ってくるお金がすごく少なくなるかも…」
というリスクがあります。

最低保証はないから、「思ったより全然少ない…!」ってこともありえます。

内容 | 最低保証はある? | ポイント |
---|---|---|
死亡保険金 | ✅ ある | 家族にしっかりお金が残せる |
解約返戻金 | ❌ ない | 投資がうまくいかなければ減る |
まとめ・今回の学び
- 「変額個人年金保険」は、運用次第で受取額が増えるチャンスもあるけど、減ることもある。
- 保険会社は「特別勘定」という運用枠で資産を増やそうとする。
- 死亡保障には最低保証があるけど、解約返戻金には保証がないので、途中解約には注意!

今回の解説で、かなり変額個人年金保険についての知識が深まったと思います!
次回予告:介護保険料控除となる保険料の種類とは?
次回のテーマは「所得税の控除制度」からの出題です!
生命保険に加入すると、税金の面で優遇される「生命保険料控除」という制度があります。
でも、最近の制度では 「何の保険か」によって控除の種類が違う こと、ご存じですか?
今回取り上げるのは次の問題です:
所得税において、個人が本年中に締結した生命保険契約に基づく支払保険料のうち、【□1】に係る保険料は、介護医療保険料控除の対象となる。
□1 に入るのはどんな種類の保険?
生命保険控除ってどう分かれてるの?
旧制度と新制度の違いは?
次回は、このような 保険と税金の関係を丁寧に解説していきます!

ぜひお楽しみに!💡
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