「子どもの進学費用、どうやって準備すればいいの?」
ファイナンシャル・プランナーが相談を受ける中で、特に多いのが教育資金に関する質問です。
今回のテーマは、「人生の3大資金」のひとつである教育費。その中でもFP3級試験でよく出題される、日本政策金融公庫の教育一般貸付(いわゆる“国の教育ローン”)の融資限度額について解説していきます。
正しい知識を身につけて、試験対策だけでなく、将来の実務にも役立てましょう!
今回の分野:人生の3大資金 ― 教育資金を学ぶ!
ファイナンシャルプランナー試験でよく出題される「人生の3大資金」。
住宅資金・教育資金・老後資金の中でも、今回フォーカスするのは「教育資金」です。
進学費用の準備として代表的なのが「日本政策金融公庫(国の教育ローン)」などの教育貸付制度。
今回はその融資限度額に注目し、制度の仕組みと試験対策のポイントを押さえていきます。
問題文の紹介:融資限度額はいくらまで?
今回、私が間違えた問題文を紹介します。
日本政策金融公庫の教育貸付の融資限度額は、入学・在学する学生一人につき350万円である。
問われているのは、融資限度額の金額:350万円が正しいかどうか。
みなさん、わかりますか?
正解と解説の要点:
問題文の正解を確認しましょう。
日本政策金融公庫の教育貸付の融資限度額は、入学・在学する学生一人につき350万円である。
→正解:○
正しい問題文でした。
今回の問題のポイントを以下にまとめましたので、ご覧ください。
✅ ポイント解説:
- 日本政策金融公庫の教育一般貸付(通称:国の教育ローン)は、入学時・在学中に利用可能。
- 融資限度額は「学生一人につき350万円以内」(令和6年現在)
- 利用対象:大学・専門学校・高校などに通う学生の保護者など
- 金利は変動あり(おおむね年1.9%前後)、返済期間は15年以内(条件により延長可)
※出題される際は「金額の引っかけ」や「使途制限」なども要注意!
わたしが✗だと思った理由
私はこの問題を見たとき、なぜか「450万円」という金額が頭の中にチラつきました。
「なんかふたつ数字があったよな〜」「どっちだっけな〜」と、こんな感じで迷ったわけです。
参考書の解説を見るとこのように書かれていました。
🎓 融資限度額の詳細
通常、国の教育ローンの融資限度額は学生1人につき350万円以内ですが、以下の条件に該当する場合は、450万円以内となります。
- 自宅外通学
- 修業年限が5年以上の大学(昼間部)
- 大学院
- 海外留学(外国の短大、大学、大学院に6ヵ月以上在籍)
これらの条件に該当する場合、融資限度額が引き上げられます。
出典元:日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/n/company/national/goannai2021.html)
深堀り考察!!:~ 他の教育ローンとどう違う? ~
「国の教育ローン」の他にどのような物があるか見てみましょう。
他の教育ローン
選択肢として挙げられるのは主に以下の3つです。
教育ローンの種類 | 融資元 | 融資額上限 | 特徴 |
---|---|---|---|
国の教育ローン | 日本政策金融公庫 | 350万円/1人 | 世帯年収制限あり、審査はやや厳しめ |
民間の教育ローン | 銀行・信用金庫など | 最大500万円~ | 保証人不要も多いが、金利は高め |
奨学金(貸与型) | 日本学生支援機構など | 学種により異なる | 利子の有無が選べる。卒業後返済 |
FPの実務では、相談者の世帯状況や希望する教育機関・時期に応じて、これらの制度を併用する提案も必要になる場面があります。
まとめ・今回の学び:
教育ローンの制度や限度額など、数字に関する設問はFP試験でも頻出です。
今回のポイントは:
- 日本政策金融公庫の教育貸付は「学生1人につき350万円」が上限!
- 条件を満たせば「350万円→450万円」となる。
- 公的ローンと民間ローンでは審査・金利・上限額が大きく異なる。
- FPは制度を知るだけでなく、「どの家庭にどの選択肢が合うか」を考える力が問われる。
教育資金は人生設計に欠かせないテーマ。今後の実務でも、ぜひ活かせる知識にしていきたいですね。
次回予告:働けないときの支え「傷病手当金」の計算ってどうするの?
突然の病気やケガで仕事を休まなければならない…。そんなとき、生活を支えてくれるのが
【健康保険の「傷病手当金」】です。
次回のテーマでは、この傷病手当金について
- どんな条件でもらえるのか?
- いくらもらえるのか?
- どうやって計算されるのか?
といったポイントを、FP3級試験に出る計算問題を交えてわかりやすく解説します。
「思ったより少ない?」「いつまで支給されるの?」といったリアルな疑問にも触れていきますので、ぜひお楽しみに!
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