生命保険は、万が一のときに家族を守るための大切な仕組みです。
しかし、保険金を受け取るときには「税金」が関わってくる場合があります。
特に、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって「相続税」になるのか「所得税」になるのかが変わるため、FP3級でもよく出題されるポイントです。
今回は「Aさんが契約者兼被保険者で、妻Bさんが死亡保険金を受け取るケース」について、試験問題を通して整理していきます!
⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の2点です。
- 死亡保険金の課税3パターン
パターン①:相続税
パターン②:所得税
パターン③:贈与税 - みなし相続財産って何?
→「本当の遺産ではないけれど、税金の計算上は“相続したもの”とみなす財産」のことです。
📘 今回の分野:相続・事業承継/相続税

今回から相続・事業承継の分野に入っていきます。
この分野は、相続の基礎知識に始まり、相続に係る税金(主に相続税や贈与税)、財産の評価などを学んでいくことになります。
私が間違えた問題を取り上げて、どういう点につまづいたのか、確認していこうと思います。

みなさんが知らなかった点にも踏み込んでいけると思いますので、
ぜひお付き合いください。
- 分野:相続・事業承継(相続税)
- 出題頻度:★★★(よく出る)
❓️ 問題文の紹介
生命保険契約において、契約者(=保険料負担者)および被保険者がAさん、死亡保険金受取人がAさんの配偶者Bさんである場合、Aさんの死亡によりBさんが受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
◯か✗か?
この問題、3回やって2回間違えています。
「AさんからBさんに死亡保険金が渡る」
ということが、贈与にあたるのではないかと考えたからです。

相続税と贈与税の違いを理解していないことがわかりました。笑
理解できるまで反復して覚えていきましょう‼️
✅ 正解と解説の要点

生命保険契約において、契約者(=保険料負担者)および被保険者がAさん、死亡保険金受取人がAさんの配偶者Bさんである場合、Aさんの死亡によりBさんが受け取る死亡保険金は、相続税の課税対象となる。
◯か✗か?
→正解:◯(正しい)
正解は◯、正しい問題文でした。

私が頭によぎった「贈与税」ではなかったということです。💦
契約者、被保険者、受取人がそれぞれ「誰」なのかによって課税される税金が変わってきます。
正しい課税方法をそれぞれ理解していきましょう‼️
それではポイント解説です。
✅️ポイント解説
- 正解:◯(正しい)
- 契約者=Aさん(保険料を払う人)
- 被保険者=Aさん(亡くなった人)
- 受取人=Bさん(妻)
このケースでは、死亡保険金はAさんの死亡によってBさんが取得する財産になります。
そのため、この保険金は「相続財産」とみなされ、相続税の課税対象となります。

なお、このとき「みなし相続財産」と呼ばれ、非課税枠(500万円 × 法定相続人の数)も適用できます。
🔍 深掘り考察!!
今回は、以下の点について解説していきたいと思います。
- 死亡保険金の課税3パターン
パターン①:相続税
パターン②:所得税
パターン③:贈与税 - みなし相続財産って何?
→「本当の遺産ではないけれど、税金の計算上は“相続したもの”とみなす財産」のことです。
死亡保険金の課税3パターン

生命保険金にかかる税金には、大きく分けて3つのパターンがあります。
なぜ3パターンになるのかというと、
👉「誰が保険料を払ったか(契約者)」
👉「誰が亡くなったか(被保険者)」
👉「誰が受け取るのか(受取人)」
によって、課税される税金の種類が変わるからです。

イメージとしては、「お金が誰の“財産”とみなされるか」を考えると、わかりやすいです。
では、1つずつ具体的な例を交えながら説明します👇
🧾 パターン①:相続税(いちばん多いケース)
契約者(保険料を払う人):Aさん
被保険者(亡くなった人):Aさん
受取人(保険金をもらう人):妻Bさん
Aさんが保険に入って、自分(Aさん)にもしものことがあったときに、妻Bさんが受け取るようにしていた場合です。
Aさんが亡くなると、妻Bさんに保険金が支払われます。
このとき、
👉 Aさんのお金(財産)をBさんが相続したと考えられるため、
👉 課税されるのは 「相続税」 です。
💡 ポイント
死亡保険金は「みなし相続財産」と呼ばれ、実際の遺産ではありませんが、相続したものとして扱うというルールになっています。
📌 さらに、「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠があるので、節税にもつながることがあります!
💰 パターン②:所得税(自分で受け取るとき)
契約者:Aさん
被保険者:妻Bさん
受取人:Aさん
Aさんが妻Bさんに保険をかけて、Aさん自身が受け取るようにしていたケースです。
たとえば、Bさんが亡くなって、Aさんが保険金を受け取ったとします。
この場合、
👉 Aさんは「自分で自分の財産を増やした」ような扱いになるので、
👉 課税されるのは 「所得税」 です(正確には一時所得)。
💡 ポイント
相続ではなく、「お金を自分で得た」と考えられるので、相続税ではなく所得税がかかります。

※このときは非課税枠(50万円)などの計算も関係します。
🎁 パターン③:贈与税(他人が払った保険)
契約者:Aさん
被保険者:妻Bさん
受取人:子どもCさん
Aさんが妻Bさんに保険をかけ、亡くなったときに子どもCさんが受け取る設定にしていたケースです。
この場合、
👉 Aさんがお金を払って保険をかけた
👉 でも受け取ったのはAさんでもBさんでもなく、Cさん
👉 つまり「CさんがAさんから財産をもらった」という扱いになるので
👉 課税されるのは 「贈与税」 です。
💡 ポイント
このケースは相続税の非課税枠も使えないので、注意が必要です。

FP試験でも引っかかりやすいパターンです。
🧭 3パターンをまとめると
| 契約者(保険料負担者) | 被保険者 | 受取人 | 税金の種類 | よくあるケース |
|---|---|---|---|---|
| A | A | 妻B | 相続税 | 夫が妻のために加入(死亡保障) |
| A | 妻B | A | 所得税 | 夫が妻に保険をかけて自分で受取 |
| A | 妻B | 子C | 贈与税 | 夫が妻に保険をかけて子に渡す |
📝 死亡保険金の課税3パターン_まとめ
- 保険金にかかる税金は「契約者・被保険者・受取人」の組み合わせで決まる
- 契約者=被保険者が多く、相続税が基本
- 契約者=受取人なら所得税
- 契約者≠被保険者≠受取人なら贈与税
- 相続税には**非課税枠(500万円 × 法定相続人)**があるので節税になることも!
こうして3パターンを整理しておくと、FP試験の「ひっかけ問題」にも強くなります。

よく出るテーマなので、何度か練習して頭に入れておくのがおすすめです。
みなし相続財産って何?

FPの勉強ではよく出てくる「みなし相続財産(みなしそうぞくざいさん)」という言葉。
ちょっと難しそうに聞こえますが、わかりやすく言うと…
👉「本当の遺産ではないけれど、税金の計算上は“相続したもの”とみなす財産」のことです。
つまり、実際に亡くなった人の名義の財産ではないけれど、「もらえるきっかけが亡くなったこと」なので、相続税をかける対象になるんです。
🧾 1. 「みなし」という言葉の意味
「みなし」とは、「そうじゃないけど、そうだと**みなす(=扱う)」**という意味です。
たとえば、
「君がチームのリーダーじゃないけど、今回はリーダーとしてみなすよ!」
というように、“本当の立場”とはちょっと違っていても、ルール上そう扱う、ということです。
税金の世界でも同じように、本当の遺産じゃないけれど「相続財産としてみなす」ものがあります。
それが👉 みなし相続財産 です。
💰 2. 代表的な「みなし相続財産」
みなし相続財産にはいくつか種類がありますが、代表的なのはこの2つです👇
| 種類 | 内容 | 代表例 |
|---|---|---|
| ① 死亡保険金 | 被保険者が亡くなったときにもらえる保険金 | 生命保険の死亡保険金 |
| ② 死亡退職金(弔慰金など) | 会社員が亡くなったときに会社などから遺族に支払われる退職金や見舞金など | 退職金、弔慰金(ちょういきん)など |
🧑💼 3. どうして「みなし」になるのか?
たとえば、Aさんが生命保険に加入していて、妻Bさんが死亡保険金を受け取るケースを考えましょう👇
- Aさんの財産ではない(保険金は保険会社が払うお金)
- でもAさんが亡くなったからこそ、Bさんはお金を受け取れる
👉 つまり、「Aさんの死亡がきっかけ」で財産が増えた!

このような財産は、相続財産とほぼ同じ性質を持っているため、税金の世界では「相続したものと同じように扱おう」と決められています。
それが「みなし相続財産」という考え方です。
🏦 4. 税金の扱い
死亡保険金や死亡退職金は、「みなし相続財産」として相続税の対象になります。
ただし、このときには特別ルールがあります👇
👉 非課税枠= 500万円 × 法定相続人の数
たとえば、
- 法定相続人が妻と子ども2人(合計3人)
- 死亡保険金が 1,500万円 の場合
計算: 500万円 × 3人 = 1,500万円
👉 1,500万円までは非課税(税金ゼロ)になります!
📝 5. みなし相続財産_まとめ
- 「みなし相続財産」とは、本当の遺産じゃないけれど、相続財産として扱う財産のことです。
- 代表例:死亡保険金・死亡退職金
- 亡くなったことがきっかけでお金が入るから、相続税の対象になります。
- 「500万円 × 法定相続人」の非課税枠があるので節税効果もあります。
🌟 イメージでたとえると…
「本当の相続財産」=亡くなった人が持っていた財布の中身
「みなし相続財産」=亡くなった瞬間に“自動的に出てくるサブ財布(保険金など)”

本当の財布じゃないけど、亡くなったことがきっかけで手に入るので、
「遺産の仲間」として税金を計算する、というイメージです。
まとめ・今回の学び
- 死亡保険金の課税3パターン
パターン①:相続税(契約者=被保険者)
パターン②:所得税(契約者=受取人)
パターン③:贈与税(契約者≠被保険者≠受取人)
※契約者 = 保険料を払う人
※被保険者 = 保険をかけられる人
※受取人 = 保険金を受け取る人 - みなし相続財産って何?
→「本当の遺産ではないけれど、税金の計算上は“相続したもの”とみなす財産」のことです。
→代表例:死亡保険金・死亡退職金
今回は相続・事業承継の分野における相続税についての問題に触れてきました。
課税パターンが3つもあると、時間をおいたら忘れてしまいます。
「忘れてもこの記事を見たらわかる!」
「そういえば相続税についてのブログがあったな!」
といった具合に覚えていただけたら幸いです。
次回も相続関係の問題が続きます。

多くの人がいずれ直面する問題なので、さわりだけでも見ていっていただけたらと思います。
それでは次回予告です。
次回予告:生前贈与について

次回は、贈与税と相続税が関係してくる「相続開始前3年以内の贈与財産の加算」について解説します。
たとえば、お父さんが亡くなる前に子どもに贈与した財産があると、その財産の金額を相続税の課税価格に加える必要があります。
このルールを知らないと、「せっかく生前贈与したのに、相続税の計算でまた課税対象になる」ということも起こりえます。
次回の問題文は👇
「本年中に相続または遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前【□1】以内に暦年課税方式により被相続人から贈与により取得した財産があるときは、その財産の【■2】における時価により評価した金額を、原則として相続税の課税価格に加算する。【□1、■2】に入る数値、用語はなにか?」
この問題は「3年以内」や「相続開始時」というキーワードがポイントです。

生前贈与と相続の関係を理解すると、節税の基本がしっかり身につきますよ!
お楽しみに‼️


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