生命保険の保険料は、ただの「支払い」ではなく、その中にはいくつかの意味を持った費用が含まれています。
その中の一つが「付加保険料」。
今回は、生命保険の保険料の仕組みの中でも、少し混乱しやすい「付加保険料」についての問題を取り上げ、正解の根拠と背景を深掘りします!
今回の分野:

今回取り上げる範囲は、リスク管理分野における生命保険のしくみと保険料の構成(金融・年金分野)です。
問題文の紹介:
生命保険の保険料のうち、保険会社が保険契約を維持・管理するための費用に充当される付加保険料は、予定死亡率および予定利率に基づいて計算される。
◯か✗か?
わかりやすくするためにキーワードだけ抜き出しましょう。
「付加保険料」「予定死亡率」「予定利率」
問われているのは、「付加保険料」を計算するうえで、「予定死亡率」と「予定利率」が影響を与えているか?
ということですね。

・・・はい、間違えました。
「付加保険料」の意味が何なのか覚えてなかったのが敗因かと。
正解を確認しましょう!
正解と解説の要点:
生命保険の保険料のうち、保険会社が保険契約を維持・管理するための費用に充当される付加保険料は、予定死亡率および予定利率に基づいて計算される。
◯か✗か? →正解:✗

正解は✗でしたね。
ポイント解説を見て理解を深めましょう!
✅️ポイント解説
生命保険の保険料は、大きく次の3つの要素から構成されます:
- 純保険料(じゅんほけんりょう)
→ 保険金の支払いに備える部分。
→ 予定死亡率・予定利率などを元に計算されます。 - 付加保険料(ふかほけんりょう)
→ 保険会社の事務費や人件費、営業活動費用などに使われる。
→ 予定死亡率や予定利率とは関係なく、各社の実際の経費などを元に設定。
予定事業費率から計算。
つまり、問題文のように「予定死亡率および予定利率に基づいて計算される」と言ってしまうと誤りです。
深掘り考察!!:
「付加保険料」って、わかりにくい言葉ですが、ざっくり言えば【保険会社の運営コスト分】です。
なぜ予定死亡率や予定利率とは関係ないの?
- 予定死亡率・予定利率は「保険金の支払いを見積もる」ためのもので、これは純保険料を計算する基準です。
- 一方、付加保険料は「営業・管理・事務などのコスト」にあたるので、会社ごと・商品ごとに独自に設定されます。
たとえるなら…

スーパーでジュースを買うとき、「ジュース本体の原価(=純保険料)」と、「お店の運営費や人件費(=付加保険料)」があるようなもの。
だから、予定死亡率などの“数理的な基準”からは付加保険料は計算されないのです。
🎯 意図:なぜ付加保険料があるのか?
保険会社がサービスを提供するには、当然ながら運営にお金がかかります。たとえば:
- 保険契約を結ぶための営業費用
- お客様の保険を管理・更新するための事務手続きの費用
- 保険金請求の審査や支払い業務
- サポートセンターの人件費やシステムの運用コスト など
これらの運営コストをまかなうために、保険料の一部として「付加保険料」が必要なのです。
🏛 背景:なぜ予定死亡率・利率を使わないのか?

保険のお金(=保険料)には、いくつかのパーツがあります。
その中でも「純保険料」は、
「何歳の人がどのくらいの確率で亡くなるか」や「お金のふえる速さ(利息)」など、
【しっかりした計算ルール(=保険数理)】を使って、きっちり決まっています。
一方、「付加保険料」は、
たとえば「どれくらい人を雇ってるか」「コマーシャルにどれだけお金かけてるか」みたいに、
保険会社のやり方によってバラバラなんです。
だから、「付加保険料」は、きっちり計算式で出せるものではなくて、
その会社の考え方や運営のしかたによって変わるんです。
まとめ・今回の学び:
- 生命保険の保険料は「純保険料」と「付加保険料」でできている。
- 純保険料は予定死亡率や予定利率などに基づいて計算される。
- 付加保険料は保険会社の運営コストに充てられ、予定死亡率や予定利率とは関係ない!
次回予告:予定利率と保険の新規契約の保険料の関係?

「予定利率が上がると、保険料は安くなるの?」
ニュースなどで「予定利率の引き上げ」が話題になることがありますが、
それが生命保険の保険料にどう関係するのか、ご存じでしょうか?
実は予定利率が上がると、新しく保険に加入する際の保険料が安くなる可能性があります。
でも、なぜそうなるのか? そして、どんな保険に影響するのか?
気になるポイントを次回、しっかり解説していきます!

「今が保険の入りどき?」と感じている方も、ぜひチェックしてください!
お楽しみに😊
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