【終身保険・予定利率】保険料が変わるのはなぜ?”予定利率”と保険料の関係をやさしく解説!_間違いから学ぶFP3級_第18回

FP

「保険料って、なんでこんなに高いんだろう…」

そんなふうに感じたことはありませんか?

実は、保険料の金額は「保険会社がお金をどれくらい増やせるか」
という見込みの数字によって変わるんです。

今回のテーマは、FP3級でも頻繁に出てくる 予定利率(よていりりつ) にまつわる問題です。

この仕組みを知っておくと、保険料の「高い・安い」に納得感が生まれますし、
試験でも確実に得点できます。

それでは早速、問題にチャレンジしてみましょう!


⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。

  • 予定利率って、そもそも何?
    →保険会社が「運用でこれくらい増やせる」と見込んだ利回りのことです。
  • 予定利率が上がると保険料はどうなる?
    安くなります!
  • 予定利率が下がると保険料はどうなる?
    高くなります!

前回の復習:純保険料・付加保険料・予定死亡率との関係

前回(第17回)では、保険料の構成について学びました。

生命保険の保険料は大きく2つに分かれています。

  • 純保険料(じゅんほけんりょう):将来の保険金の支払いに備えるお金
  • 付加保険料(ふかほけんりょう):保険会社の運営コスト(人件費・広告費など)

そして、純保険料を決めるときに使われるのが「3つの予定率(よていりつ)」です。

予定率の種類意味
予定死亡率統計から見た「何人が何歳で亡くなるか」の見込み
予定利率集めたお金を運用してどれくらい増やせるかの見込み
予定事業費率保険会社の運営にかかるコストの見込み

今回はこの中の 予定利率 にフォーカスします!

前回の記事はこちら
【付加保険料】「予定死亡率・予定利率」と混同してない?保険料の構成を正しく理解しよう!_間違いから学ぶFP3級_第17回


今回の分野:リスク管理・生命保険のしくみと保険料の構成

今回取り上げる範囲は、リスク管理分野における生命保険のしくみと保険料の構成です。

FP3級のリスク管理分野では、生命保険・損害保険・第三分野の保険など、
さまざまな保険の種類やしくみが出題されます。

その中でも「保険料がどのように決まるか」というテーマは頻出で、
今回の予定利率をはじめ、予定死亡率・予定事業費率といった用語がよく問われます。

「保険料って、なんとなく払っているけど、どうやって決まっているの?」
という疑問をお持ちの方は、この分野をしっかり押さえることで、
保険の見方がグッと変わりますよ!


❓問題文の紹介:予定利率・純保険料・終身保険の保険料

問題文の紹介

以下の記述は正しいか?
◯か✗かで答えよ。

生命保険会社が予定利率を引き上げた場合、
通常、その後の終身保険の新規契約の保険料は安くなる


予定利率・予定死亡率・予定事業費率…

3つの予定率が並ぶと、どれがどう影響するのかこんがらがってしまいませんか?

特に“予定利率が上がったとき、保険料はどっちに動くの?”
という方向感が、なかなか頭に入らないんですよね。

こいちろ
こいちろ

これら3つの予定率については、前回記事で詳しく解説しているので、
併せて読んでみてくださいね。

正解と解説の要点:予定利率、引き上げたら安くなる!

問題文の紹介

以下の記述は正しいか?
◯か✗かで答えよ。

生命保険会社が予定利率を引き上げた場合、
通常、その後の終身保険の新規契約の保険料は安くなる

→正解:◯(正しい)

予定利率を引き上げると、終身保険の新規契約の保険料は安くなります

✅ポイント解説:

予定利率(よていりりつ)とは、
保険会社が契約者から集めたお金を運用して
「これくらい増やせる」と見込んだ利回りのことです。

  • 予定利率が高い
    → 将来のお金が多く増える見込み
     → 今集めるお金は少なくてOK
      → 保険料が安くなる
  • 予定利率が低い
    → あまり増えない見込み
     → 今のうちに多めに集めておく必要がある
      → 保険料が高くなる

つまり、予定利率と保険料は”逆向き”の関係になっています!


🔗 関連記事のご紹介

保険料の構成(純保険料・付加保険料・予定死亡率など)について、前回の記事でくわしく解説しています。

あわせて読んでみてください👇


予定利率について_深掘り考察!!

【得られる知識】:予定利率と保険料の逆向き関係・金利変動の影響

  • 予定利率とは:保険会社が運用で見込む利回りのこと。
    この数字が保険料を左右します。
  • 予定利率↑ → 保険料↓
    予定利率↓ → 保険料↑という逆の関係になっています。
  • 世の中の金利水準が変わると、予定利率も変わります。
    日本の低金利時代は保険料が高い時代でした。

予定利率は、以下のような保険料の構成要素のひとつです:

  • 純保険料(保険金の支払いに備える部分)
  • 付加保険料(事務費や営業経費など)

このうち、純保険料を計算するときに予定利率が使われます。

そもそも「予定利率」ってどんなしくみ?

予定利率をひとことで言うと、
「保険会社が”お金を増やせる見込み”を数字にしたもの」です。

たとえば、予定利率が「2%」なら、
「集めたお金を1年間で2%分増やせる予定」ということです。

保険会社は、みなさんから保険料を集めて、
そのお金を株や債券などに投資して運用しています。

その運用の成果として「どれくらい増えるか」を事前に見込んでおく必要があります。

それが予定利率です。

🏦 身近なもので例えると?

予定利率のしくみは、銀行の定期預金に置き換えるとイメージしやすいです。

たとえば、10年後に100万円を準備したいとき、
定期預金の金利が高ければ
「今は少ない金額を預けておくだけで、10年後には100万円になる」
と計算できます。

逆に金利がほぼゼロなら
「今から100万円近く積み立てておかないと間に合わない」
となりますよね。

保険もまったく同じ発想です。

  • 将来100万円の保険金を支払う必要がある
  • 予定利率が高ければ → 今は少なく集めればOK
  • 予定利率が低ければ → 今から多く集めておかないとダメ

だから、予定利率と保険料は逆向きに動くのです。


📉予定利率が下がるとどうなる?

具体的な数字で見てみよう

将来、保険金として100万円を支払う必要がある保険があるとします。

  • 予定利率が**0.5%**のとき(低金利):
    運用でほとんど増やせない
    → 「今から95万円近く集めておかないと100万円に届かない!」
    保険料が高くなる
  • 予定利率が**3%**のとき(高金利):
    運用でしっかり増やせる
    → 「今は75万円集めておけば、運用で100万円になる!」
    保険料が安くなる

🍱 お弁当屋さんで例えると?

お弁当屋さんが「明日の昼までに1,000円のお弁当代を準備する」場面で考えてみましょう。

  • 財布の中のお金が増えない(金利ゼロ):今すぐ1,000円用意しないといけない
  • 財布の中のお金が1割増える(高金利):今910円あれば、明日には1,000円になっている

保険料も同じです。

「将来払う保険金」という”目標金額”に向けて、今いくら集めるかが変わってくる。

それが予定利率による保険料の変動です。


📈 予定利率が上がるとどうなる?

逆のパターンも数字で確認

  • 予定利率が**5%**のとき(かなり高金利):
    運用で大きく増やせる
    → 「今は60万円集めておけば、将来100万円になる!」
    保険料がかなり安くなる

日本では1990年代のバブル期の頃、
予定利率が5〜6%という高水準だった時代がありました。

このころの生命保険は「お宝保険」とも呼ばれ、
保険料が安くて保障が厚い商品が多かったのです。

🎁 割引クーポンで例えると?

予定利率が高い状態は、「50%OFFクーポン」を持っているようなものです。

本来1万円の商品が5,000円で買える。

つまり保険会社は
「将来100万円の保険金を払うために、今は少ない保険料で済む」
という状況になります。

だからこそ契約者の保険料が安くなるのです。

🔁予定利率が変わる原因ってなに?

予定利率は保険会社が勝手に決めるわけではありません。

世の中の経済状況や金利水準と深く関係しています。

世の中の状況予定利率への影響保険料への影響
金利が下がった
(低金利時代)
予定利率↓(下がる)保険料↑(高くなる)
金利が上がった
(高金利時代)
予定利率↑(上がる)保険料↓(安くなる)
経済が不安定・不景気予定利率↓(下がる)保険料↑(高くなる)
経済が安定・好景気予定利率↑(上がる)保険料↓(安くなる)

🏠 建物の断熱性能で例えると?

建物の断熱性能が高ければ、暖房費(=エネルギー投入量)が少なくて済みますよね。

逆に断熱性能が低ければ、暖房をガンガン焚かないと同じ室温に到達できません。

これを保険に置き換えると…

  • 断熱性能の高さ = 予定利率の高さ(少ないエネルギーで目標達成)
  • 暖房費(エネルギー) = 保険料(少なくて済む)
  • 室温(目標) = 将来の保険金額

予定利率が高いほど
「少ない保険料で将来の保険金を準備できる」
という構造がよくわかります。

📉 日本の低金利時代との関係

日本はバブル崩壊後からおよそ30年以上にわたって低金利時代が続きました。

その間、保険会社の予定利率も低い水準が続いたため、
保険料が高止まりした時代が長く続いていたのです。

2024年以降、日本銀行が金利引き上げに動き始めたことで、
今後の予定利率の変化にも注目が集まっています。

保険に加入するタイミングは、こうした経済の動きとも無関係ではないのです。


よくあるケアレスミス‼️:予定利率・保険料の逆向き関係

ミス①:「利率が上がる=保険料も上がる」と思い込む

なぜ間違えるのか?

「利率が上がる=お得になる・増える」というポジティブなイメージが先行し、
「保険料も上がる方向に動く」と誤解してしまうパターンです。

銀行の定期預金では
「金利が上がる=もらえる利息が増えて嬉しい」という感覚が染みついているため、
保険でも同じ方向に動くと思い込んでしまいます。

✅ 正しい考え方

予定利率は契約者目線ではなく、保険会社の運用目線の数字です。

保険会社が「運用でたくさん増やせる」ほど、
「今は少ない保険料を集めるだけでOK」となります。

だから予定利率↑ → 保険料↓という逆向きの動きになるのです。

こいちろ
こいちろ

私も最初「利率が上がったら保険会社が儲かって保険料も高くなるんじゃ?」と思っていました。
“誰目線の利率か”を意識するようになってから、すっと理解できました!

ミス②:「予定利率が変わっても、既存の契約の保険料は変わる」と思い込む

なぜ間違えるのか?

「予定利率が変わった」というニュースを聞くと、
「じゃあ今の自分の保険料も変わるの?」と思ってしまいがちです。

「利率が変わった=すべての契約に影響する」
という先入観から生まれるミスです。

✅ 正しい考え方

予定利率の変更が影響するのは、
変更後に新しく結ぶ契約(新規契約)だけです。

すでに契約している保険の保険料は、
契約時の予定利率で固定されています。

だからこそ、低金利時代に高い予定利率で契約した「お宝保険」は、
後から変更されることなく有効だったのです。

こいちろ
こいちろ

「今の保険料が急に上がるの?!」と焦らなくて大丈夫です。
予定利率は”新規契約”への影響です。
既存契約は契約時の条件が守られます。

ミス③:「予定利率・予定死亡率・予定事業費率」の方向をごちゃ混ぜにする

なぜ間違えるのか?

3つの予定率はどれも「保険料に影響する」点は共通しています。

しかし、それぞれ保険料が上がるか下がるかの方向が違うため、
混同してしまうケースが多いです。

特に「予定死亡率が下がると保険料も下がる?上がる?」と
「予定利率が上がると保険料は?」がごちゃ混ぜになりがちです。

✅ 正しい考え方

それぞれの方向性を表にして整理しましょう。

予定率の種類上がると保険料は?下がると保険料は?
予定利率↓ 安くなる↑ 高くなる
予定死亡率↑ 高くなる↓ 安くなる
予定事業費率↑ 高くなる↓ 安くなる

ポイントは、予定利率だけが”逆向き”という点です!

予定死亡率と予定事業費率は「高くなれば保険料も高くなる」という素直な関係ですが、
予定利率だけは「高くなると保険料が安くなる」という逆の動きをします。

こいちろ
こいちろ

「予定利率だけ逆!」と覚えておくと整理しやすいです。
試験では3つの予定率をセットで問われることも多いので、
この表を頭に入れておくと安心です👍

よくあるケアレスミス_まとめ表

よくある誤解正しい考え方
予定利率↑ → 保険料↑(上がる)と思い込む予定利率↑ → 保険料↓(下がる)。
逆向きの関係!
予定利率が変わると既存契約の保険料も変わる影響するのは新規契約のみ。
既存契約は変わらない
3つの予定率はすべて同じ方向に動く逆向きに動くのは予定利率だけ!
他の2つは同じ方向


✨まとめ・今回の学び:予定利率・純保険料・終身保険の保険料

今回学んだことを振り返りましょう📝

  • 予定利率とは、保険会社が運用で増やせると見込んだ利回りのこと。
    純保険料の計算に使われる。
  • 予定利率が上がる → 保険料は安くなる(逆向きの関係)。
    終身保険など長期契約ほど影響が大きい。
  • 予定利率の変更が影響するのは新規契約のみ
    既存の契約の保険料は変わらない。
  • 3つの予定率の中で、保険料と”逆向き”に動くのは予定利率だけ
    試験の頻出ポイント!

今回のポイントを整理します。

  • 予定利率とは、保険会社が集めたお金の「運用利回りの見込み」のこと
  • 予定利率が上がる → 保険料は安くなる(逆向きの関係)
  • 予定利率が下がる → 保険料は高くなる
  • 金利水準や経済状況によって、予定利率は変化する
  • 終身保険のような長期契約ほど、予定利率の変化が保険料に大きく影響する
  • 予定利率の変更は新規契約にのみ適用。既存契約の保険料は変わらない
  • 3つの予定率の中で“逆向き”なのは予定利率だけ。他の2つとの違いを意識しよう

保険に加入するタイミングが大事と言われる理由のひとつに、
この「予定利率の変化」があります。

ぜひ覚えておきましょう!


次回予告:定期保険特約付終身保険の自動更新の注意点とは?

保険の中には「定期保険特約付終身保険」という、
終身保険に定期保険の特約をつけた商品があります。

この保険、自動更新のたびに保険料がどう変わるのか
きちんと理解している人は意外と少ないかもしれません。

「同じ保障内容なのに、なぜ保険料が上がるの?」

そんな疑問をスッキリ解決します!

次回の記事はこちら
【定期保険特約】自動更新したら保険料UP!?年齢と保険料の関係をやさしく解説!_間違いから学ぶFP3級_第19回

次回もぜひご覧ください!✨

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