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一級建築士は独学で受かる?日建学院に5年通った私が独学・通信・通学を比べた

一級建築士は独学で受かる?日建学院に5年通った私が、独学・通信・通学を比べた 建築
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こんにちは、こいちろです。

「一級建築士って、独学で受かるの?」

これから受験を考えている方なら、一度は検索したことがあると思います。

先にお伝えしておきます。
私は独学ではありません。
学科も製図も、日建学院に通っていました。
それでも学科に4回、製図に2回かかり、合格まで5年かかっています。

実は受験を始めたとき、私は学校を比べていません。
独学も考えませんでした。
最初から「独学は無理だ」と思っていたからです。

そんな私が、もし今、最初から受け直すとしたら。

学科は独学、製図は学校を選びます。

学校に通って合格した人が「学科は独学でいい」と言うのですから、勝手な話に聞こえるかもしれません。
でも、5年通ったからこそ見えたことがあります。
学校でしか得られなかったものと、結局は自分次第だったもの。
その両方です。

「一級建築士 独学」と検索すると、出てくる記事は大きく2種類です。
資格学校のサイトは学校をすすめ、独学で合格した人は独学をすすめる。
どちらも、自分が選んだ道の話になりがちです。

この記事は、そのどちらでもない立場から書きます。
学校に通った本人が、独学・通信講座・通学の3つを、できるだけ冷静に比べます。

あのとき比べずに決めた私が、今の目で比べ直す記事でもあります。

なお、料金は各校の公式サイトで確認した、2026年10月2日時点の通常価格です。
また、私は通信講座を受講したことがありません。
通信講座については、使った感想ではなく、公式に公開されている内容で比べます。

試験そのものの難しさや合格率については、一級建築士の難易度・合格率は?学科4回・製図2回、合格まで5年かかった私の本音で詳しく書いています。


  1. 結論:独学・通信講座・通学、向いている人の早見表
    1. 私の結論は「学科は独学、製図は学校」
    2. ただし、独学には「自分でやり切る強さ」がいる
    3. 表の読み方:「どれが正解か」ではなく「何を買うか」
  2. 一級建築士の「独学」はどこまで現実的か
    1. 私が通った校舎の学科講義は「ビデオ」だった
    2. 点を取れたのは、結局「自分で過去問を繰り返した時間」
    3. 独学の最初の壁は法規。インデックスは「後から」貼る
    4. 私の苦手な計画は「反射で答えられるまで」繰り返すしかない
    5. 製図は、独学ではかなり厳しい
    6. この章のまとめ
  3. 独学・通信講座・通学を5つの点で比べる
    1. 費用:通学の学科コースだけで、約77万円
    2. 時間・強制力・添削・情報:お金以外の違い
  4. 日建学院に5年通って分かった「学校でしか得られなかったもの」
    1. 製図で、自分のプランを見てもらえた
    2. 順位の貼り出しが、途中から楽しみになった
    3. 強制的なペース
  5. それでも「自分次第」だったもの
    1. 通っていても、1年目は走れなかった
    2. 講義ビデオを、見返さなかった
    3. 学校は、比べずに決めた
    4. 周りの受験生は、気にしすぎなくていい
  6. 中間の選択肢:学科は独学+模試、製図は添削を受けられる環境
    1. お金は「自分ではどうにもならないところ」に使う
    2. 学科:独学+模試だけは受ける
    3. 製図:形より「条件」で選ぶ
  7. 自分に合う学び方を選ぶチェックリスト
    1. 学科のチェック
    2. 製図のチェック
    3. 結果の読み方
  8. よくある質問
    1. Q1. 一級建築士の独学は無理ですか?
    2. Q2. 独学のテキストは何を使えばいいですか?
    3. Q3. 独学のスケジュールはどう立てればいいですか?
    4. Q4. 費用はどれくらいかかりますか?
  9. まとめ:学科は独学でも戦える。製図は「見てもらえる環境」にお金を使う
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結論:独学・通信講座・通学、向いている人の早見表

まず結論から、表にまとめます。

項目独学通信講座通学
学科の費用の目安教材代と模試代約8万円〜約47万〜87万円
製図の添削なし講座・オプションによるあり
勉強のペース自分で作る自分で作る(カリキュラムはある)学校が作ってくれる
向いている人誘惑を押さえて、自分でやり切れる人/費用をどうしても抑えたい人費用を抑えつつ、教材と道すじがほしい人自分でペースを作るのが苦手な人

※2026年10月2日時点の各校公式サイトの通常価格(税込)。
通信講座はスタディングの学科対策コース79,800円、通学はTACの総合学科本科生473,000円〜日建学院の学科スーパー本科コース869,000円。
割引で大きく変わるので、最新は各校の公式サイトで確認してください。
くわしい内訳は後半で比べます。

私の結論は「学科は独学、製図は学校」

5年通った私の答えは、学科と製図で分かれます。

学科は、独学でも届く人がいると思います。
私が4年目にようやく学科を突破できたとき、いちばん効いたのは講義ではなく、過去問を5周したことでした。
過去問は、自分ひとりでも回せます。

製図は、学校(少なくとも添削を受けられる環境)を選びます。
添削で助けられたのは、自分のプランが法的・計画的に成り立っているかを、講師に見てもらえたことでした。
プランの良し悪しは、自分ひとりではなかなか判断できません。

学科を独学にする理由は、もう1つあります。
学校に通っていても、1年目の私は走れませんでした。
結局は、自分次第だったのです。
この話は後半でくわしく書きます。

💬 こいちろの体験談

正直に言うと、学校に払った費用は重かったです。ただ、「通わなければよかった」とは思っていません。模試で自分の位置が分かったこと、学校がペースを作ってくれたこと、そして製図の添削。どれも助けられました。それでも「学科は独学」と言うのは、模試やペースは、学校に通わなくても別の方法で補えると今は分かっているからです。

ただし、独学には「自分でやり切る強さ」がいる

ここで1つ、ただし書きをさせてください。

独学には、誰にも言われなくても自分でやり切る、強い気持ちが必要です。

多くの人は、勉強を先送りにしがちだと思います。
私も昔はそうでした。

  • やらなければいけないこと(資格の勉強と仕事)。
  • やりたいこと(趣味)。
  • そして、やらなくてもいいはずなのに、ついやってしまうこと(SNSやゲームに逃げること)。

とくに20代は、いろいろな誘惑があります。

しかも今は、10年前、20年前よりも、ずっと安く娯楽が手に入る時代です。
スマホ1台あれば、時間はいくらでも溶けていきます。

学校に通えば、少なくとも決まった日に教室へ行き、講義を受け、模試を受けることになります。
独学には、それがありません。
誘惑から自分を引きはがす役目も、全部自分で引き受けることになります。

だから私が独学をおすすめするのは、次のような人です。

  • 誘惑を押さえつけて、資格の勉強に集中できる人
  • 学校に通う費用をどうしても出せない人

どちらにも当てはまらないなら、「学科は独学」という私の結論を、そのまま真似しなくてかまいません。

表の読み方:「どれが正解か」ではなく「何を買うか」

3つの学び方の違いは、お金で何を買うかの違いだと思っています。

  • 独学:お金はかからない。そのかわり、ペースも教材選びも全部自分で決める
  • 通信講座:教材と道すじを買う。ペースは自分で作る
  • 通学:ペースと添削と、周りの受験生の中での自分の位置を買う

どれを選んでも、最後に問題を解くのは自分です。
この記事では、それぞれで「何が手に入って、何が手に入らないのか」を、ひとつずつ見ていきます。


一級建築士の「独学」はどこまで現実的か

先ほど、私は「学科は独学」と書きました。
それが実際にどこまで現実的なのかを、5年通っていた目で見ていきます。

先に言っておくと、学科と製図では、答えがまったく違います。

私が通った校舎の学科講義は「ビデオ」だった

私が通った日建学院の校舎では、学科の講義は、講師がその場で話す授業ではありませんでした。
教室で、録画された講義のビデオを見る形です。
補講のときは、自習室でビデオを見ました。

※これは、私が通った校舎・年度での話です。
校舎や年度によって、形は違うかもしれません。

良い点もあります。
事務局に頼めば、分からないところを見返すこともできました。

ただ、正直に書くと、私は学科の講義にあまりメリットを感じていません。
分からないところほど、眠くなりました。

資格学校の教室で、録画の講義ビデオを見る受験者のイラスト

点を取れたのは、結局「自分で過去問を繰り返した時間」

学科で点が取れるようになったのは、講義を聞いた時間ではありませんでした。
自分で過去問を繰り返した時間です。

2年目と3年目は、過去問を2周ちょっとしか回せませんでした。
そして、どちらの年も足切りにあっています。
2年目は計画、3年目は環境・設備です。

4年目は、過去問を5周しました。
その年に、ようやく学科を突破できました。

過去問は、学校に通っていなくても回せます。
それに、過去問に出ていない新しい傾向の問題は、学校に通っている人にも、独学の人にも、同じように出ます。
ここが、私が「学科は独学でも戦える」と考えるいちばんの理由です。

ただし、「何周したか」を目的にするのは危ないです。
大事なのは、間違えた問題が解けるようになったかどうかです。
このあたりの失敗は、一級建築士のやってはいけない勉強法5選|学科4回・足切り2回で学んだ失敗談でくわしく書いています。

独学の最初の壁は法規。インデックスは「後から」貼る

独学で最初につまずくのは、法規だと思います。

法規は、1問1問が長い科目です。
しかも、法令集を引くのに時間がかかります。
私も法令集を引くのが遅く、問題を周回できずに焦っていました。

引く速さを上げた方法は、特別なものではありません。
とにかく、くり返し問題をこなしただけです。

1つだけ、おすすめしたいことがあります。
法令集のインデックスは、最初に全部貼らないことです。

インデックスを貼るのは、思ったより時間がかかります。
私は、貼ること自体が目的になってしまった日がありました。
全部貼り終えると達成感があって、「もういっか。明日やろ」と、その日の勉強を飛ばしてしまったこともあります。

おすすめは、問題を解きながら、引いたところに後から貼るやり方です。
こうすると、インデックスが増えたところがよく出るところ、というように、過去問の傾向もインデックスで分かるようになります。

過去問を解きながら、引いたページに法令集のインデックスを一枚ずつ貼るイラスト

私の苦手な計画は「反射で答えられるまで」繰り返すしかない

2年目に足切りにあったのは、計画でした。

私は、とくに昔の建築(建築史)に興味がなく、苦手意識がありました。
分からないから、4択の運に頼ってしまう。
今思えば、ただの実力不足です。

足切りの年に、過去問で解けたはずの問題を取れていたかというと、取れたものも、取れなかったものもあったと思います。
10年前のことなので、細かくは覚えていません。

興味がない科目は、反射的に答えられるまで、過去問を繰り返すしかないと思っています。

製図は、独学ではかなり厳しい

製図は、学科とは事情が違います。
自分の図面が合格ラインに届いているかを、自分では確かめられないからです。

設計製図の試験では、合格発表のときに「採点のポイント」として、どんな項目を見たかは公表されます。
採点結果はランクⅠ〜Ⅳの4段階で、合格はランクⅠだけです。

ただ、細かい採点基準や配点は公表されません。
自分の図面が、どこで何点減ったのかも分かりません。
国土交通省も、個人の評価などに関する質問には答えていません。

私は製図の1回目、ランクⅡでした。
描き切って、達成感もありました。
それでも、何が足りなかったのかは、今も分かりません。

💬 こいちろの体験談

私はふだん、構造設計の仕事をしています。製図の添削では、自分の図面を、建築的・法規的な目で講師に見てもらえました。おかげで視野が広がりました。添削がなければ、プランの問題に自分では気づけなかったと思います。

製図の勉強のくわしい話は、一級建築士の製図|ランクⅡで落ちた私が2回目で合格するまでにやったことに書いています。

出典:国土交通省「令和7年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を決定~3,988人の合格者、合格率は35.0%~」(令和7年12月24日)
https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_001108.html

この章のまとめ

  • 学科:学校がしたのは、ビデオを流すところまででした。過去問を回すのは自分です。
    学科の独学は、現実的だと思います
  • 製図:自分の図面を誰かに見てもらえる環境がないと、かなり厳しいです

ただ、学校でしか得られなかったものもあります。
模試やミニテストで、順位が貼り出されたことです(くわしくは「学校でしか得られなかったもの」の章へ)。

そして念のため、もう一度書いておきます。
私は、独学で受けたことはありません。


独学・通信講座・通学を5つの点で比べる

ここからは、3つの学び方を5つの点で比べます。
費用・時間・強制力・添削・情報の5つです。

先にお断りしておくと、私が経験したのは通学だけです。
通信講座は、公式サイトで公開されている内容で比べています。

費用:通学の学科コースだけで、約77万円

学校学科製図
日建学院(通学)学科本科コース 770,000円設計製図本科コース 605,000円(設計製図Webコース 143,000円)
総合資格学院学科WEB(+LIVE)コース 770,000円公式サイトに金額の記載なし
TAC総合学科本科生 473,000円公式サイトに金額の記載なし
スタディング(通信)学科対策コース 79,800円製図対策コース 55,000円+製図添削オプション 44,000円
独学市販のテキスト・問題集・法令集の代金―

※2026年10月2日時点、各校公式サイトの通常価格(税込)。
 学科は2027年、製図は2026年の試験向けの価格です。
※スタディングには、学科と製図をまとめた「学科・製図総合コース」(99,000円)もあります。
※TACは、早割キャンペーンで418,000円になっています(2026年10月31日まで)。
※早割・学割・再受講割などで金額は大きく変わります。
 申し込む前に、必ず各校の公式サイトで確かめてください。

通学は、学科だけで約77万円かかります。
スタディングの学科対策コース(79,800円)の、約10倍です。

正直に書くと、学費は重かったです。
私はそれを、5年続けました。

時間・強制力・添削・情報:お金以外の違い

項目独学通信講座通学
時間いつでも、どこでもいつでも、どこでも決まった日に教室へ行く
強制力なしカリキュラムはあるが、進めるのは自分強い(決まった日に教室・模試)
添削(製図)なし講座・オプションによるあり
情報(法改正・出題の傾向)自分で集める講座による(公式の案内で確認)学校が届けてくれる

私が通学でいちばん助けられたのは、強制力でした。
決まった日に教室へ行くので、勉強のペースが勝手にできます。
私は出張がない限り、ほとんど学院へ行っていました。

学科のミニテストや学院の中の模試の結果が貼り出されて、競争にあおられたのも、良い効果でした(くわしくは「学校でしか得られなかったもの」の章へ)。

こうして並べてみると、通学で払うお金の多くは、ペースと競争、そして製図の添削の代金だと思います。
学科の講義そのものの代金ではない、というのが、5年通った私の実感です。

出典(2026年10月2日確認):
日建学院「1級建築士 コース一覧」
https://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/architect1q/course/index
総合資格学院「1級建築士 学科WEB(+LIVE)コース」
https://www.shikaku.co.jp/course/1k/list/gakka-web/
TAC「一級建築士 総合学科本科生」
https://www.tac-school.co.jp/kouza_kenchiku/kenchiku_crs_1kyu_16sghonka.html
スタディング「建築士講座」
https://studying.jp/kenchikushi/


日建学院に5年通って分かった「学校でしか得られなかったもの」

正直に書くと、学科の講義には、あまり価値を感じませんでした。
それでも、通ってよかったと思えるものが3つあります。

製図で、自分のプランを見てもらえた

1つ目は、製図の添削です。

講師に、自分のプランが法的・計画的に成り立っているかを見てもらえました。
私はふだん構造設計の仕事をしているので、建築的・法規的な目で見てもらえたことで、視野が広がりました。

これは、自分一人では気づけなかったことです。

順位の貼り出しが、途中から楽しみになった

2つ目は、順位の貼り出しです。

学科のミニテストや学院の中の模試のたびに、クラスの順位が貼り出されました。

最初のころは、見るのが嫌でした。
分からない問題ばかりで、うまくいかなかった感覚が強かったからです。
どうせ低い点数だろう、と思いながら見ていました。

仮に上のほうに名前があっても、気分は上がりませんでした。
手応えがないのだから、まぐれだと思っていたのです。
当時の私は、順位よりも自分の手応えのほうを信じていました。

気持ちが変わったのは、クラスの上半分に入ってきたころからです。

そのころには、分かる問題が少しずつ増えていました。
それが手応えになり、その手応えを順位が裏づけてくれる。
そうなって初めて、順位が自信につながりました。
順位を見るのが楽しみになったのは、そこからです。

勉強のしかたを変えたわけではありません。
間違えた問題、分からなかった問題を意識しながら続けていただけです。

独学では、この「周りの中で自分がどこにいるか」を知る物差しが、なかなか手に入りません。

模試の順位の貼り出しを見て、静かにほほえむ受験者のイラスト

強制的なペース

3つ目は、ペースです。

決まった日に教室へ行くので、勉強のリズムを学校が作ってくれました。

ただ、ペースは学校以外でも作れます。
模試を受ける日を先に決める。
勉強する曜日を決める。
こうしたやり方は、「中間の選択肢」の章で書きます。


それでも「自分次第」だったもの

学校に通っていても、結局は自分次第だったことがあります。

通っていても、1年目は走れなかった

1年目の私は、学校に通っていても走れませんでした。

ビデオ講義では、分からないところほど眠くなりました。
悪天候の日や、休日出勤の日は休みました。

1年目の失敗は、一級建築士のやってはいけない勉強法5選|学科4回・足切り2回で学んだ失敗談にくわしく書いています。

講義ビデオを、見返さなかった

講義のビデオは、事務局に頼めば見返せました。
それでも、私は見返しませんでした。

事務局に頼むのが、手間に思えたからです。
それに、家に帰って過去問を解くほうが大事だと考えていました。

法規は、1問1問に時間がかかります。
ビデオを見返す時間があるなら、1問でも多く解きたいと考えていました。

学校は、比べずに決めた

リードにも書いたとおり、私は学校を比べずに決めています。
独学は、最初から無理だと思っていたからです。

同じように、比べずに決める受験生は多いのではないかと思います。
だから、この記事で「比べる」ことをしています。

周りの受験生は、気にしすぎなくていい

周りの受験生のことは、特に気にしませんでした。

模試の順位は、自分の位置を知る材料にはなりました。
でも、それ以上のものではありません。


中間の選択肢:学科は独学+模試、製図は添削を受けられる環境

この記事のはじめで、私は「学科は独学、製図は学校」と書きました。

でも、独学か学校かの二択で考えなくていいと思っています。
必要なところにだけお金を使う、という選び方もあります。

お金は「自分ではどうにもならないところ」に使う

自分の意識や覚悟でどうにかなることには、なるべくお金を使わない。
自分がどう頑張ってもできないことにだけ、お金を使う。
これが私の考えです。

自分ではどうにもならないことは、たとえば次の3つです。

  • 模試を受けて、周りの中での自分の位置を知ること
  • 製図で、自分のプランを見てもらうこと
  • どうしても家で勉強できる環境がない人の、勉強する場所とペース

反対に、お金を払うことで満足してしまう部分もあります。
法令集のインデックスを全部貼って満足してしまったのと、同じです。

一級建築士は、覚悟を持ってやらないと受からない試験だと思っています。
お金で買えるのは、環境までです。
覚悟は買えません。

早朝の机で、過去問に向かう受験者のイラスト

学科:独学+模試だけは受ける

もし今、学科を独学で受けるとしても、模試だけは受けます。

順位の話で書いたとおり、「周りの中で自分がどこにいるか」は、一人では手に入らないからです。
ここは、お金を使うところだと考えています。

たとえば、日建学院の「【学科】全国統一公開模擬試験」は5,500円(税込)です。
教室か自宅かを選んで受けられます(2026年は6月28日に実施)。
通学の学科コースの約77万円と比べると、ずっと小さな金額です。

※受講生以外も受けられるか、日程、受験料は年によって変わります。
 申し込む前に、公式サイトで確かめてください。

製図:形より「条件」で選ぶ

製図は、通学・Web・通信のどれがいいかは、私には言えません。
私が経験したのは通学だけだからです。

そのかわり、選ぶときの条件を書いておきます。

かならずほしいもの

  1. 自分のプランが法的・計画的に成り立っているかを、見てもらえること(「独学はどこまで現実的か」の章を参照)
  2. エスキスと記述を、見てもらえること

作図の練習は、家でもできます(一級建築士の製図|ランクⅡで落ちた私が2回目で合格するまでにやったことを参照)。

あるとよいもの

  • 本試験のあとに、再現図を見てもらえること。
    必須ではありませんが、次の試験を受けるときの参考になります

申し込む前に、各校の案内で、この条件がそろっているかを確かめてください。

出典(2026年10月4日確認):日建学院「1級建築士 コース一覧」
https://www.ksknet.co.jp/nikken/guidance/architect1q/course/index


自分に合う学び方を選ぶチェックリスト

ここまで読んで、「結局、自分はどれを選べばいいのか」と思った方もいるはずです。

次の項目に「はい」か「いいえ」で答えてみてください。
大事なのは「はい」の数ではありません。
「いいえ」がついた項目が、あなたがお金を使って補うべきところです。

学科のチェック

  • □ 決まった日に行く場所がなくても、毎日勉強を続けられる
  • □ SNSやゲームなど、ついやってしまうことを自分で断てる
  • □ 家や近くに、集中して勉強できる場所がある
  • □ 過去問を何周も回す時間を、毎日つくれる
  • □ 模試を自分で探して、申し込める

製図のチェック

  • □ 自分のプランが法的・計画的に成り立っているかを、見てもらえる人や場所がある
  • □ エスキスと記述を、見てもらえる人や場所がある
チェックリストに印をつけながら、自分に合う学び方を考える受験者のイラスト

結果の読み方

  • 学科がすべて「はい」:独学で進めて、模試だけ受ける形が合っています(「中間の選択肢」の章へ)。
  • 学科の上の3つに「いいえ」がある:勉強のペースや場所を、自分の力だけで作るのは難しいかもしれません。
    通学や、カリキュラムのある通信講座を考えてください。
  • 製図に「いいえ」がある:そこは、お金を使ってでも添削を受けられる環境を用意してください。
    製図は、自分の図面を自分では確かめられない試験です(「独学はどこまで現実的か」の章へ)。

なお、学校に通う費用をどうしても出せない人は、はじめの章で書いたとおり、独学を選ぶことになります。
その場合は、学科の「いいえ」を自分で「はい」に変えていくところから始めてください。


よくある質問

Q1. 一級建築士の独学は無理ですか?

学科と製図で答えが分かれます。

学科は、独学でも戦える可能性はあると思います。
私が合格した年に一番効いたのは、講義ではなく過去問を5周したことでした。
過去問は自分一人でも回せます。
ただし、私は独学で受けたことがないので、「独学で受かる」とは言い切れません(くわしくは「独学はどこまで現実的か」の章へ)。

製図は、独学ではかなり厳しいと考えています。
自分の図面が合格ラインに届いているかを、自分では確かめられないからです。

自分に何が足りないかは、チェックリストで確かめてみてください。

Q2. 独学のテキストは何を使えばいいですか?

まず法令集は必ず用意してください。
過去問集は、年度別に解ける「チャレンジ7」をおすすめしています。
どちらも一級建築士の難易度・合格率は?学科4回・製図2回、合格まで5年かかった私の本音で紹介しています。

正直に書くと、私は日建学院の受講生用の教材で勉強していたので、市販の教材は使っていません。
それでも、テキストを読み込むより、過去問を中心に勉強したほうが点は伸びる、というのが5年かけて出した私の結論です。

法令集のインデックスは、最初に全部貼らずに、問題を解いて引いたところに後から貼るのがおすすめです(くわしくは「独学はどこまで現実的か」の章へ)。

Q3. 独学のスケジュールはどう立てればいいですか?

私は独学ではないので、独学用のスケジュールはお示しできません。
参考として、合格した4年目の私の1日を書きます。

  • 朝:1〜1.5時間(暗記系の科目を回す)
  • 夜:2〜3時間(法規が中心)

当時は深夜まで残業がある働き方だったので、夜はあてになりませんでした。
だから、確実に確保できる朝を固定の時間にしました。
4年分の勉強時間は一級建築士のやってはいけない勉強法5選|学科4回・足切り2回で学んだ失敗談にまとめています。

Q4. 費用はどれくらいかかりますか?

2026年10月2日時点の公式サイトの通常価格(税込)で比べると、こうなります(くわしくは「5つの点で比べる」の章へ)。

  • 通学:学科コースだけで約77万円(日建学院・総合資格学院)
  • 通信講座:学科・製図の総合コースで99,000円(スタディング)
  • 独学:市販の教材代と、受けるなら模試代(例:日建学院の全国統一公開模擬試験 5,500円)

割引で金額は大きく変わるので、申し込む前に公式サイトで確かめてください。


まとめ:学科は独学でも戦える。製図は「見てもらえる環境」にお金を使う

「一級建築士は独学で受かるのか」。
日建学院に5年通った私の答えは、学科と製図で分かれます。

  • 学科は、独学でも戦える可能性はあると思います。
    私が点を取れたのは、講義ではなく、自分で過去問を繰り返した時間でした。
  • 製図は、独学ではかなり厳しいと考えています。
    自分の図面が合格ラインに届いているかを、自分では確かめられないからです。

3つの学び方の違いは、お金で何を買うかの違いです。
お金は、自分ではどうにもならないところに使ってください。
模試で自分の位置を知ること。製図のプランを見てもらうこと。
家で勉強できないなら、勉強する場所とペース。

ただし、お金で買えるのは環境までです。
学校に通っていても、1年目の私は走れませんでした。
どれを選んでも、最後に問題を解くのは自分です。

私は独学で受けたことがないので、「独学で受かる」とは言い切れません。
迷っている方は、チェックリストで「いいえ」がついたところから考えてみてください。

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