死亡保険金を受け取るとき、「税金がかかるの?」「何税なの?」と疑問に思う人は多いと思います。
実は、誰が契約者で、誰が受け取り、誰が亡くなったかによって、課税される税金が相続税・所得税・贈与税と変わるんです。
今回はFP3級でもよく出る「死亡保険金の課税対象」を、問題を通じてしっかり整理していきます!
今回の分野:

今回はリスク管理分野における生命保険の種類と契約〜税金の範囲の出題です。
タックスプランニング(税金)/死亡保険金と課税関係を押さえていきましょう。
問題文の紹介:
契約者および死亡保険金の受取人:Aさん
被保険者:Aさんの父親
このとき、Aさんが受け取る死亡保険金にかかる税金は次のうちどれか?
- 贈与税
- 相続税
- 所得税
今回選んだ選択肢は、「2.相続税」にしました。

お金の流れが、父→子へ移動しているから、なんとなく相続なのではないかな〜
という理屈で選びました。
正解を確認しましょう‼️
正解と解説の要点:
契約者および死亡保険金の受取人:Aさん
被保険者:Aさんの父親
このとき、Aさんが受け取る死亡保険金にかかる税金は次のうちどれか?
- 贈与税
- 相続税
- 所得税 ←正解
正解は、3.所得税でした。
イメージで回答した「相続税」ではありませんでしたね。

「相続税」「贈与税」となるパターンもあるようなので、正しく理解しておきたいですね。
まずは、ポイントの解説から見ていきましょう。
✅️ポイント解説
このパターンでは、次のような関係になっています。
立場 | 人物 |
---|---|
契約者 | Aさん(子) |
被保険者 | Aさんの父 |
受取人 | Aさん(子) |
契約者=受取人であり、保険料を払っていた人(Aさん自身)が、保険金を受け取っているため、
この保険金は「自分が払った契約に基づく収入」とされて、所得税(=一時所得)の対象となります。
死亡保険金に限らず、満期保険金、解約返戻金、年金を受け取る場合も所得税の対象になります。
🔍深掘り考察!!
今回の考察は、以下の点に絞って解説していきたいと思います。
- なんで所得税なの?
- 「死亡保険金」を受け取る際の税金の違い
🔍ナゼ所得税なのか?
もう少し問題文を噛み砕いてみましょう。↓
Aさんは、自分のお金で保険に入って、
「お父さんが亡くなったときに、Aさん自身が保険金をもらえる契約」をしていたわけです。
つまり、
自分でお金を払って、自分にお金が戻ってくる仕組み
を作っていたことになります。
💡 例を挙げると…

これはちょうど、「自分でくじを買って、自分が当たった」ようなものです。
- Aさんは「くじ(=保険)」を買うために、自分でお金を出していました(=保険料の支払い)。
- お父さんが亡くなったことで、くじに当たったように保険金をもらえたのです。
- この「当たったお金」は、他人からもらったのではなく、「自分が契約した仕組み」で得たお金です。
なので、遺産(相続)としてもらったお金ではないと判断されて、
税金の種類は「相続税」ではなく、所得税(=一時所得)になるわけです。

「お父さんが亡くなったこと」と「くじが当たった」のを同じと考えるのは、
若干不謹慎かもしれませんね😅
✅ ナゼ所得税なのか?のポイントのまとめ
- 「誰かからもらったお金」なら → 相続税 or 贈与税
- 「自分が払って、自分が受け取ったお金」なら → 所得税(=一時所得)
この違いをおさえると、問題の選択肢もすんなり選べるようになります。
「死亡保険金」を受け取る際の税金の違い:課税ルール

死亡保険金にかかる税金は、次の3つのどれかになります。
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 税金の種類 |
---|---|---|---|
Aさん | Aさん | Bさん | 相続税(一般的なケース) |
Aさん | Bさん | Aさん | 所得税(=一時所得)(今回のケース) |
Aさん | Bさん | Cさん | 贈与税(レアだが出題される) |
✅ 贈与税がかかるパターンとは?

贈与税がかかるのは、契約者・被保険者・受取人がすべて別人のときです。
たとえば:
- 契約者:母
- 被保険者:父
- 受取人:子
このように3人ともバラバラの場合、契約者(母)から受取人(子)への贈与とみなされ、贈与税の対象になります。
✨まとめ・今回の学び
- 死亡保険金にかかる税金は、契約者・被保険者・受取人の関係で決まる
- 今回のように「契約者=受取人」が自分の場合は、**所得税(=一時所得)**がかかる
- 「3者バラバラ」なら贈与税、「被保険者=契約者」で相続人が受け取れば相続税
- 図とセットで覚えると混乱しない!
図や例を挙げて解説してきました。
理解が深まったのではないでしょうか。
次回予告:入院特約に基づく入院給付金は、非課税?
次回のテーマは、【生命保険の入院特約に基づく入院給付金は、非課税なのか?】です。
保険に入っていて、病気やけがで入院したときに受け取れる入院給付金。
このお金に対して「税金がかかるの?」「申告が必要なの?」と迷ったことはありませんか?
日常でも身近な話題ですが、税制との関係を正しく理解しておくことはとても大切です。

次回は、このテーマをスッキリ解説していきます!
どうぞお楽しみに‼️
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