不動産広告で「利回り10%」と書かれていたら、つい「ずいぶん儲かりそう…!」と思ってしまいますよね。
でも実際には、書かれている数字と「手元に残るお金」はかなり違ったりします。
その違いを表すのが、今回のテーマである「NOI利回り(純利回り)」と「表面利回り」です。
FP3級でも頻出の計算問題ですが、「収入から費用を引く」というシンプルな操作を忘れて、つい表面利回りで答えてしまう…という落とし穴がよくあります。
私自身、最初に解いたときは「年間収入1,000万円が目立つから、これを投資総額で割れば終わり」と勘違いして間違えました。
今回はその謎を一緒に解き明かしましょう!
⭐️この記事を読んで得られる知識は、以下の3点です。
- NOI利回りの計算式って?
→(年間収入 − 年間費用)÷ 投資総額 × 100 で求めます。
表面利回りとはどう違うの?
→ 表面利回りは費用を引かない「見かけの数字」、
NOI利回りは費用を引いた「現実の数字」。 - 試験ではどっちが問われやすい?
→ どちらも頻出。
「純利回り」「NOI」というキーワードを見落とさないことが大事。
前回(第69回)は、相続した親の家を売ったときに使える空き家特例(3,000万円控除)を取り上げました。
「譲渡対価1億円以下」という要件がポイントでしたね。
今回はガラッとテーマが変わって、不動産投資の利回り計算です。
同じ不動産でも「相続して売る」と「自分で投資する」では考えるポイントが全然違うので、頭を切り替えていきましょう👇
前回の記事はこちら
▶【空き家特例】譲渡対価は1億円以下が要件!6,000万円と間違えない覚え方をやさしく解説_間違いから学ぶFP3級_第69回
📘 今回の分野:不動産の有効活用と投資分析

今回学ぶ範囲は、不動産の有効活用と投資分析です。
その中でも、不動産投資の利回り計算(収益不動産の評価)にフォーカスして、表面利回りとNOI利回り(純利回り)の違いを深掘りしていきます。
「不動産投資」と聞くと、ハードルが高そうに感じるかもしれません。
ですが、計算自体は中学校で習う「割り算と掛け算」だけです。
ポイントは、何を分子に入れて、何を分母に入れるか。これさえ押さえれば怖くありません。
❓️ 問題文の紹介:NOI利回りは何%か?
- 対象:投資総額1億円で購入した賃貸用不動産
- 数値条件:年間収入の合計額 1,000万円 / 年間費用の合計額 350万円
- 問われている指標:純利回り(NOI利回り)
- 問われている内容:この投資の純利回りは【何%】か?
【 】内に入る数値はいくらか?
「純利回り」と「NOI利回り」の2つの呼び方が出てきて、別物だと勘違いしてしまいませんか?
また、「年間収入1,000万円」という大きな数字が目に飛び込んできて、
つい「収入÷投資額」だけで答えを出してしまいませんか?
落ち着いて要素を整理してから、計算に入りたいですね。

NOIって英語だから難しそうに見えますが、要するに「手取り」のことです。
式を1回紙に書いてみると意外とシンプルですよ✏️
✅ 正解と解説の要点:純利回り(NOI利回り)の計算手順

- 対象:投資総額1億円で購入した賃貸用不動産
- 数値条件:年間収入の合計額 1,000万円 / 年間費用の合計額 350万円
- 問われている指標:純利回り(NOI利回り)
- 問われている内容:この投資の純利回りは【何%】か?
【 】内に入る数値はいくらか?
→正解:6.5%
✅️ポイント解説
NOI利回り(純利回り)の計算式は次のとおりです。
NOI利回り =(年間収入 − 年間費用)÷ 投資総額 × 100
手順を3ステップで分解します👇
- ステップ①:純収益を出す → 1,000万円 − 350万円 = 650万円
- ステップ②:投資総額で割る → 650万円 ÷ 1億円 = 0.065
- ステップ③:100をかけてパーセントに → 0.065 × 100 = 6.5%
このように、「費用を引いた実際の手残り」を投資額に対する割合で表したものを「純利回り(NOI利回り)」と呼びます。
1億円という大きな数字に惑わされず、まずは「収入−費用=純収益」を出すクセを付けるのがポイントです。

「純収益÷投資総額」。
この型さえ覚えれば、数字が変わっても解けますよ💡
📚 出典・参考
- 公益社団法人 日本FP協会 「不動産投資における利回りの意味」
🔗 関連記事の紹介:不動産分野で一緒に押さえたい3記事
不動産分野は「持つ・売る・貸す・活用する」の4パターンで整理すると見通しが立ちます。
今回のNOI利回りと一緒に確認しておきたい関連記事を3つご紹介します👇
▶ 土地の有効活用つながり
不動産投資と並んで頻出なのが「土地活用」の手法です。
等価交換方式とあわせて読むと「不動産で稼ぐ方法」が体系的に理解できます。

▶ 不動産の維持コストつながり
NOI利回りの「年間費用」には固定資産税も含まれます。
固定資産税の減額措置を知ると、投資シミュレーションの精度が上がります。

▶ 不動産の出口戦略つながり
不動産投資は「買って終わり」ではなく「売るとき」も考えるのが大事。
譲渡所得の短期・長期の違いも合わせて押さえておきましょう。


不動産分野は「持つ・売る・貸す・活用する」の4パターンで頭を整理するとスッキリしますよ📚
🔍 NOI利回りと表面利回りの違い_深掘り考察!!
今回は、以下の3点について深く掘り下げていきます。
- NOI利回りとはなにか?
→収入から必要な経費を引いた後に残る“実際の利益” を表します。 - 表面利回りとはなにか?
→年間の収入を投資額で割っただけのシンプルな数字のことです。 - NOI利回りと表面利回りの違い。どのように使い分けるか?
→表面利回り:不動産を探すときに「ざっくり収益性を比べるため」に使います。
NOI利回り:実際に買うかどうか判断するときに「本当に残るお金」を考えるために使います。
NOI利回りとはなにか?~純収益で見る「現実の利回り」

「NOI(Net Operating Income)」とは、日本語でいうと「純収益」のことです。
つまり、収入から必要な経費を引いた後に残る”実際の利益”を表します。
NOI利回りは、この純収益が投資した金額に対してどれくらいの割合になるかを示す指標です。
NOI利回り=(年間の収入 − 年間の費用)÷ 投資総額 × 100
身近な例えで考えてみよう
お小遣い帳で考えてみましょう。
- 毎月のお小遣い:1,000円(収入)
- 文房具・お菓子・友達とのお出かけで300円使う(費用)
- 残高は700円(純収益)
このとき、「もらった1,000円」だけを見て「お金いっぱいある!」と判断するのは危険ですよね。
実際に自由に使えるのは残高の700円だけだからです。
不動産投資もまったく同じ発想です。家賃収入という大きな数字だけを見るのではなく、経費を引いた実際の残り=NOIを見ることが、現実的な判断につながります。
表面利回りとはなにか?~収入だけで見る「見かけの利回り」

「表面利回り」とは、年間の収入を投資額で割っただけのシンプルな数字のことです。
表面利回り = 年間収入 ÷ 投資総額 × 100
不動産の具体例ポイントは「経費を引いていない」という点です。
身近な例えで考えてみよう
給料の「額面(総支給)」をイメージするとわかりやすいです。
- 月収30万円と書いてあっても
- 税金・社会保険料が引かれて
- 実際に手元に入るのは24万円くらい
「月収30万円!」と聞くと豊かそうに見えますが、実際に使えるのは24万円。
表面利回りは、この「額面30万円」のほうの数字です。
不動産広告で「表面利回り10%!」と書かれていても、
修繕費・管理費・税金などを引いた「手取り」がいくらかは、別の話なのです。
NOI利回りと表面利回り_どう使い分ける?建築士視点で解説

ここまでで2つの利回りの違いが見えてきましたね。
実際の不動産投資では、目的に応じて使い分けるのが基本です。
| 項目 | 表面利回り | NOI利回り(純利回り) |
|---|---|---|
| 計算式 | 年間収入 ÷ 投資総額 × 100 | (年間収入 − 年間費用)÷ 投資総額 × 100 |
| 含むもの | 収入のみ | 収入から費用を引いた純収益 |
| イメージ | 給料の額面/お小遣いの収入欄 | 給料の手取り/お小遣いの残高 |
| 使いどころ | 物件比較(ざっくり収益性) | 購入判断(実際の手残り) |
| 不動産広告 | こちらが目立つように載せられる | あまり書かれない |
🏗️ 建築士視点での補足
私は普段、建築構造設計の仕事をしていますが、建物には「建てた後にかかるお金(ライフサイクルコスト)」があります。
- 屋根・外壁の防水工事は10〜15年ごとに必要
- 給排水管の交換は20〜30年で発生
- 固定資産税は所有している間ずっと支払い続ける
これらはぜんぶ「年間費用」に入る話です。
建築士として建物を見ると、「表面利回りだけで判断するのは絶対NG」というのが正直なところです。
建てた後のメンテナンス費用を考えると、表面とNOIの差は思った以上に大きくなります。
⭐️ ここまでの内容を一度整理しましょう
- NOI利回りは「年間収入から年間費用を引いた純収益」を投資総額で割ったもの。
実際に手元に残るお金の割合を表します。 - 表面利回りは「年間収入 ÷ 投資総額」だけで計算する見かけの数字。
不動産広告で見かけるのはこちらが多いです。 - 年間費用には、減価償却費・借入金利子・借入金元本返済は含めません。
NOI利回りは「物件そのものの収益力」を測る指標だからです。
⚠️ よくあるケアレスミス:NOI利回りの計算で間違えるポイント
ミス①:年間費用を引き忘れて、表面利回りで答えてしまう
なぜ間違えるのか?:
問題文に「年間収入1,000万円」と大きな数字が書かれていると、
つい「1,000万円÷1億円=10%」と答えてしまうから。
正しい考え方:
純利回り(NOI利回り)が問われたら、まず「収入−費用」を計算するのがクセ。
「純」の字が見えたら「引き算が必要」と反射的に思い出しましょう。

私もこのミスで一度間違えました。
問題文をゆっくり読むだけでも、ケアレスミスはかなり減りますよ。
ミス②:年間費用に減価償却費や借入金利子を含めてしまう
なぜ間違えるのか?:
「費用」と聞くと帳簿上のあらゆる経費を含めたくなるから。
正しい考え方:
NOI利回りは「物件そのものの収益力」を測る指標なので、
減価償却費・借入金利子・借入金元本返済は除くのが原則。
問題文に「減価償却費は含めない」と注記があることも多いです。

FP3級の問題集では、わざと減価償却費の数字を提示して「引っかける」パターンも出ます。問題文を読むときは「含まないもの」をチェックする習慣を。
ミス③:単位の桁ミス(万円と億円の混在)
なぜ間違えるのか?:
1億円=10,000万円なので、計算途中で桁を間違えやすい。
正しい考え方:
全部を「万円単位」に揃えてから計算するのが安全。
1億円は「10,000万円」と最初に書き換えておけば、ミスを防げます。

電卓を叩くときは「0の数」を声に出して確認するのもおすすめです。
📋 ケアレスミスまとめ
| よくある誤解 | 正しい考え方 |
|---|---|
| 純利回りなのに「収入÷投資額」で計算する | 純利回りは「(収入−費用)÷投資額」 |
| 年間費用に減価償却費や借入金利子を含める | 減価償却費・借入金利子は含めない |
| 万円と億円を混ぜて計算する | 単位を「万円」に揃えてから計算 |
📚 出典・参考
- 公益社団法人 日本FP協会 「不動産投資における利回りの意味」
- 国税庁タックスアンサー No.1370「不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)」
まとめ・今回の学び:NOI利回りと表面利回りの違い
今回学んだことを振り返りましょう📝
⭐️ 今回の総まとめ4ポイント
- 基本の仕組み:NOI利回り =(年間収入 − 年間費用)÷ 投資総額 × 100
- 用語の違い:表面利回り=給料の額面/NOI利回り=給料の手取り
- 試験頻出ポイント:「純利回り」「NOI」と書かれたら、必ず「収入−費用」を先に計算する
- 実生活への応用:物件比較は表面利回り、購入判断はNOI利回りで使い分ける
「NOI」という英語が入ると一見難しく感じますが、要するに「手取り」の発想です。
お小遣いも、給料も、不動産投資の利回りも、
「もらった額」ではなく「実際に残る額」で考えるのが現実的ですよね。
不動産広告で「利回り◯%」と書かれていたら、
それが表面利回りなのかNOI利回りなのかを必ず確認するクセを付けるといいです。
試験では「純利回り」「NOI利回り」というキーワードが出たら、
条件反射で「収入−費用」のステップを思い出すのがコツです。

NOIの「N」は「Net(純)」の頭文字。
「N=引き算が必要」と覚えておくと安心です🌱
次回予告:土地の有効活用と建設協力金方式

土地を持っていても、自分で建物を建てる資金がないと活用しにくい…
そんな悩みを持つ土地オーナーは多いです。
実は不動産には、店舗を出したい事業会社からお金を借りて、
その会社の希望どおりの建物を建てるというユニークな仕組みがあります。
土地所有者は資金負担を抑えながら長期の賃料収入も得られる、まさに「win-win」の手法。
この方式は、専門用語で【何】方式と呼ばれるでしょうか?
次回の記事はこちら
▶【土地活用】テナントから資金を借りて建てる!「建設協力金方式」とは?_間違いから学ぶFP3級_第71回
次回学べる内容
- 土地活用のメリット・デメリット
- 建設協力金方式とは何か
- 事業用定期借地権との違い

建築士の私から見ても、なかなか面白い仕組みです。
次回お楽しみに!


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